運行継続は8割の市民が賛成、税金活用の是非は......
運行継続の危機を受けて、坊っちゃん列車の関係者らでつくる松山市の「坊っちゃん列車を考える会」が発足し、23年12月の初会合では、今後の運行を危惧する声が相次いだ。
伊予鉄道からは、1両当たり3人の運転士が必要で、3人いれば路面電車が3台走ると、人手不足の現状が説明された。そして、今後も継続するのは会社の経営判断として困難だと明かされ、市が観光コンテンツとして運営してほしいとの要望が出された。
出席者からは、減便された電車やバスの方をむしろ何とかすべきだ、赤字が大きいと支援も限界がある、といった否定的な意見も出て、「1~2年の赤字解消ではなく、持続可能な事業になるかを根本的に考えないといけない」などと今後の対応を取りまとめた。
松山市では、市の公式LINE登録者を対象にしたアンケートも23年12月から行い、約8割が「運行を再開した方がいい」と答えた。しかし、市が税金を活用すべきかについては、賛成は約2割に留まり、「一部のみ」が5割近くを占めた。税金活用に反対したり、再開を望んだりしない意見も、それぞれ15%前後もいた。
低調なクラウドファンディングの結果を受け、坊っちゃん列車はいずれ廃止されてしまうのだろうか。
市の観光・国際交流課は6月19日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「そういったことも含めて検討するために、今回行っています。しかし、観光の目玉と考えており、あくまでも運行継続の可能性を探っていくのが前提です。人気がないかどうかの評価は難しいですね。乗車人数が限られた特殊な車両ですので、人気がないとは一概に言えないと思います」
なぜクラウドファンディングが目標の約1割に留まったかについては、「分析・評価していませんので、回答を持ち合わせていません」とした。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)