企業の採用意欲かつてなく高い まだチャンスある!
これほど早いペースで進んでいる就職活動、焦らずに自分に合った会社を見つけるにはどうしたらよいか。J-CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった就職みらい研究所所長の栗田貴祥さんに話を聞いた。
――5月1日時点の内定率(72.4%)、進路確定率(51.0%)ともに過去の数字と比べて異常なほど高くなっています。こんなにスピードアップした理由はどこにあるのでしょうか。企業側だけではなく、学生側の事情も何か影響していますか。
栗田貴祥さん 構造的な人手不足を背景に企業の採用意欲は高く、リクルートワークス研究所が発表している2025年卒の大卒求人倍率は1.75倍と、2024年卒の1.71倍より0.04ポイント上昇しています。
リクルート就職みらい研究所の『就職白書2024』の2024年卒の採用振り返り調査でも、「採用予定数を充足できた」と答えた企業は36.1%と、2012年卒の調査開始以来、最低値を更新しております。
以上のような背景から、2025年卒の企業の採用活動では、地域、業種、従業員規模を問わず、企業の選考・内々定出しが早まっているようです。
学生の皆さんも、そのスケジュールの早期化に対応して選考プロセスに臨んでいることで、内々定を取得する割合が高まっていることが、この数値の高さの要因かと考えております。
――なるほど。非常に高い内定率の背景には、2025年卒就活生から導入された新制度である「インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム」の影響は考えられないでしょうか。
栗田貴祥さん 「インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム」の参加学生に対し、早期の選考への案内などを一部の企業が行っているという話も聞かれます。
じつは新制度前からそのような状況は垣間見えていましたが、その動きがより進んでいる可能性は考えられます。