秋田豪雨で校舎が浸水「生徒のために授業再開を」 聖霊女子短大付属高「復旧の夏」

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「生徒も教職員も、前を向いています」

   復旧活動には、教職員に加えてPTAや保護者、卒業生と関係者が協力を惜しまなかった。半田教頭によると在校生は、普段通りの学校生活が「当たり前じゃない」ことを実感し、支えてくれる人たちへの感謝の念を強めたという。

   8月10日過ぎに仮設の電源を確保。エアコンを含む電気や水道の使用にめどがつき、夏休み明けの21日、新学期をスタートできた。座学の授業は進んでいるが、家庭科と体育は難しい。特に体育は、人工芝グラウンドの浸水が影響している。泥が入って乾いたままの人工芝を元通りにするには、特別な機械が必要だが、業者に問い合わせると10月ごろまで待たねばならないようだ。

   電気設備もまだ仮復旧状態。そしてボイラー設備が完全に故障した点は心配だ。秋田の冬は、寒い。地下室にある機械を見学したが、かなり大型だ。修理代がどれほどかかるのか、そもそも直せるのか、不安は尽きない。1階では事務室や体育館をはじめ、本格復旧はこれからという様子だった。

   取材を終えて帰り際、工藤校長と立ち話で言葉を交わした。難題は多いが、

「生徒も教職員も、前を向いています」

   こう口にすると、隣で聞いていた半田教頭もうなずいた。ちょうど授業が終わったタイミングだったのか、廊下を行きかう生徒たちの楽しそうなおしゃべりが、耳に入った。多くの人にとっての大切な学び舎の復活を、願わずにはいられない。

(J-CASTニュース 荻 仁)

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