西武ファン「働け、働け」コール、球団元コーチは苦言 「選手も生身の人間...非常に心を痛める選手もいます」

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   2023年6月14日に東京ドームで行われた巨人対西武戦での応援がインターネットなどで波紋を広げている。試合は巨人が7-1で西武を下した。敗れた西武は4連敗となり、交流戦、リーグ戦ともに最下位に低迷している。

  • 画像はイメージ(編集部撮影)
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レフトスタンドから特定の選手に「働け、働け」コール

   西武は2回に1点を先制され、3回に同点に追いつくもその裏にディートリック・エンス投手(32)が2死走者なしから岡本和真内野手(26)のソロ本塁打などで3失点。4回以降、西武打線は沈黙し、一方で投手陣は巨人打線に計15安打7得点を許して完敗した。

   複数のスポーツ紙の報道によると、序盤から劣勢に立たされた展開に西武応援団が陣取ったレフトスタンドから特定の選手に向けて「働け、働け」のコールが巻き起こったという。コールの映像がSNSで拡散され波紋を広げている。

   プロ野球界では近年SNSなどで選手を誹謗中傷するケースがみられ、これを問題視した日本野球機構(NPB)は公式サイトを通じてファンに対して誹謗中傷を止めるよう呼びかけた。

   NPBは今シーズン開幕直前の3月29日に公式サイトを更新し、「ファンのみなさまには、誹謗中傷等を拡散しないこと、SNS等での投稿にあたってマナーを守っていただくことを改めてお願いするとともに、何より選手の力になる前向きなご声援をたくさん送っていただけることを心より願っています」などと記した。

「選手はそれぞれ自分なりに一生懸命やっている」

   16年から3年間、西武で作戦コーチ、1軍野手総合コーチを歴任した橋上秀樹氏(57)は、J-CASTニュースの取材に対して今回の「働け」コールについて次のように見解を示した。

   橋上氏によると、「働け、働け」コールは以前から聞かれたもので、橋上氏が現役時代の1980年中盤から90年代にもあったという。

   橋上氏は「現在チームが低迷していることもあり、熱い思いを持っているからこそ我慢できなかったのかもしれません」とし次のように続けた。

「ファンの目にどのように映るかは別として、選手はそれぞれ自分なりに一生懸命やっている。その辺は温かく見守っていただきたい。例えば一生懸命走らなかっただとか、一生懸命ボールを追わなかったりした時は『一生懸命やれ』と言われても仕方がないと思います。それを何試合も尾を引いて言い続けるのは良くないですし、個人的なことを集団でコールしたりするのはやめていただければと思います」

   そして「今回のコールも選手に聞こえていると思います。選手も生身の人間なので、そのような声に対して非常に心を痛める選手もいます」と述べた。

   なお試合後、「西武ライオンズ応援団」のツイッターが更新され、「働け」コールについて「最悪でみっともないコールをしたことをお詫び申し上げます」などと謝罪した。

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