砂糖菓子のように小さな「圧縮おしぼり」が飲食店などで存在感を増している。直径2センチほどの円形で、少量の水を垂らすともくもくと広がる。膨らんだおしぼりを広げると、手をぬぐうなどして使うことができる。ユニークな仕掛けだとSNSで話題になることもある。
J-CASTニュースの取材に対し、実際に導入した飲食店は「お客様に喜んでもらえて好評です」と話す。
「お通しの砂糖菓子と思ってかじるとこだったよー」
圧縮おしぼりは2023年2月中旬、人気声優の山寺宏一さんがツイッターで紹介したことで大きな注目を集めた。山寺さんは飲食店で提供された際に驚いたようで、次のようにツイートしている。
「直径2cmのコレがおしぼりだなんてオジサン知らなかったよー お通しの砂糖菓子と思ってかじるとこだったよー」
写真には、茶托のような受け皿に載せられた小さなタブレット状のものが写されていた。この投稿は、21日までに79万7000回以上表示され、ニュースでも取り上げられた。ファンからも「ぱっと見ほんとにお菓子かと思っちゃう」「これ、おしぼりなの!!?」などと驚く声が寄せられた。
圧縮おしぼり「MOWA」を製造する大黒工業(愛媛県四国中央市)は取材に対し、開発背景について次のように説明する。
「そもそも韓国やハワイなど海外では使用されていた商品です。日本でも圧縮タオルなどはノベルティーとして古くから使用されていました。当社は使い捨ておしぼりの加工メーカーとして、遊び心があっていいのではと圧縮おしぼりの販売を行うことにしました。発売は10年前からになります」
MOWAは、水分を含まない状態で生産される。使い捨て紙おしぼりの機械で素材となる紙を丸め、油圧式プレス機で6本ずつプレスして完成だ。飲食店向け業務用品の卸をしている問屋を中心に、年間で350万個ほど販売しているという。