脳科学者の茂木健一郎氏(60)が2022年10月26日、YouTubeチャンネルとツイッターを更新し、「少年革命家」を名乗る不登校YouTuber・ゆたぼんさん(13)が原爆ドームを訪れた動画での発言が批判されていることについて持論を展開した。
「ゆたぼんパパは正しい」
現在「スタディ号」で日本一周中のゆたぼんさんは23日、広島の原爆ドームで撮影した動画を公開。「1945年8月6日にアメリカが日本の広島県と長崎県に原爆を落とした」などと発言し、ネット上では「長崎に原爆落ちたの8月9日だろ」「絶句した」「やっぱり学校に行く事は大事だとよくわかる」と批判が広まっていた。
これに対し、ゆたぼんさんの父・中村幸也氏(42)はツイッターで25日、「まだ13歳のゆたぼんに対して言葉の粗探しをして揚げ足取りしてる奴らって本当に終わってるな。しかもクソみたいなメディアもそれに乗っかってPV稼ぎとか。子どもが間違ったことを言うだけでネットで集団でいじめてる奴らは学校で何を学んできたんだ?これが日本の義務教育を受けた奴らの成れの果てか」と怒りをあらわにしていた。
騒動に対し、茂木氏はツイッターに「ゆたぼんにレベルが低い、義務教育受けろ、と言っているひとたちの方がレベルが低い」と投稿。「知性とはなにか、考えるということはなにかについてのモデルが問われています。ゆたぼんパパは正しい」と自身の考えを示した。
「そういうことの中に考える能力の本質はない」
茂木氏はYouTubeで、ゆたぼんさんの間違いを「そういうこともあるよね」としながら、ゆたぼんさんへのバッシングに対し「その人たちの学力観というか、世の中の知っておくべきことはこういうことであるという、それが低レベルすぎて、それこそがその方々が好きな日本の義務教育の素晴らしい成果なんじゃないですか、皮肉という意味で。そんなことはどうでもいいですよね」と批判。「物を考えるということはそういうことじゃないからね」「そもそも知性とは何か、という概念がネット民の方が陳腐なんですよ」と話した。
続いて「8月6日と8月9日の違いとかそういうことを、そりゃ知ってたほうがいいでしょう。ゆたぼんはこれを機に知るでしょう。だけど、そういうことの中に考える能力の本質はないんだよってことぐらいは知っておいてから、学校がどうのこうのと言ってほしいなと。そういうことすら分からない人たちが『学校に行くべきでしょう』とか言っているのが、この日本という国の最低レベルの風景だなとハッキリ思います」と物申した。
批判しているネットユーザーは「中学入試の学力ごときが頭の良さだと思っている」とし、「そういう低レベルな方々をたくさん生み出してしまっているのが日本の義務教育だと、我々は反省しなくてはいけない。もっと良くしていかなきゃいけない」「ゆたぼんがいろいろやっている時に『頑張ってるな』と応援できるような人になることから始めたらどうかなと私は思います」との考えを示した。