サッカーJ2・大宮アルディージャは、クラブとサポーターの間で開かれた会議「サポーターズミーティング」の資料に、選手の実名を挙げて批判する記載があったとして、2022年7月28日に公式サイト上で謝罪した。
チームのキャプテンだったMF・三門雄大選手(35)についてサポーターが意見した「ミスしすぎるからキャプテン失格」という内容が、そのまま記載されていた。三門選手は会議が開かれた2日後、J3クラブへ移籍している。
クラブはJ3降格圏内
サポーターズミーティングは22年7月24日にさいたま市内で開催された。クラブからは佐野秀彦代表取締役社長、原博実フットボール本部長、秋元利幸フットボール本部強化部長が出席し、抽選で選ばれた約150人のサポーターが意見を投げかけた。
YouTubeで質疑応答の様子などが配信され、25日には会場で扱われなかった質疑内容が資料としてクラブ公式サイトで公開された。
大宮は24日時点で22クラブ中21位と低迷し、J2残留争いを強いられていた。クラブの運営方針などについてサポーターから厳しい指摘が寄せられた中、あるサポーターは「三⾨はもうミスしすぎるからキャプテン失格」とキャプテンの三門選手の名前を挙げて批判。アカデミー出身の別の選手を、クラブの中心に据えるよう意見した。同サポーターはホームゲームの日程調整についても要望した。
三門選手はJ1・アルビレックス新潟(当時)、横浜F・マリノスなどでプレー後、18年に大宮に加入。以後、主力としてチームを支えてきた。今季は13試合に出場していたが、6月以降公式戦の出場はなかった。
クラブ側は日程調整についての回答はしたものの、三門選手に関する意見については言及を避けた。しかし、ツイッター上では意見を出したサポーターや、意見内容を資料に掲載したクラブに対する疑問の声が聞かれていた。
佐野代表が選手に謝罪
28日、クラブは「サポーターズミーティングの掲載内容に関するお詫びと訂正について』と題した佐野代表名義の文書を公式サイトに掲載。資料について「本来であれば、選手を特定し批判的な内容等はクラブとして掲載しないなどの対応が必要であった」とし、「当該選手本人はもちろんのこと、当該選手のファンの皆さま、大宮アルディージャのファン・サポーターの皆さまに不快な思いをさせてしまったことにつきまして、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。三門選手には佐野代表が謝罪したとした。
ただ、当の三門選手は7月26日にJ3・FC今治への完全移籍が発表されていた。三門選手は「原フットボール本部長、秋元強化部長、相馬監督ともお話をさせていただき、クラブの考えも伝えてくださいましたが、ピッチに立てていない今の現状や自分の年齢などを考え、決断しました。まだまだピッチに立ち大好きなサッカーがしたい。ボロボロになるまで走り続けたい。その気持ちに勝るものはありませんでした。自分勝手な決断というのは重々承知していますが、少しでも理解していただけたら幸いです」と移籍理由をコメントしている。