YOASOBI描いた人気絵師に「トレース疑惑」 一部グッズが販売停止、真偽不明も騒動拡大

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   人気音楽ユニット「YOASOBI」のキービジュアルなどを手がけたイラストレーターの古塔(ことう)つみさんが描いた作品について、ネット上で著作権侵害があるのではないかと指摘が出ているとして、大手雑貨メーカー「マークス」が事実関係を確認するため、古塔さんのデザインした商品を一時販売停止にしたことが分かった。

   一方、人気ゲーム「ポケットモンスター」のキャラを元に古塔さんがデザインした商品について、ゲームの関連事業を行う会社のポケモンは、著作権侵害があるかについて、「調査を行った結果、事実ではなかった」と取材に答え、商品の販売を続けることを明らかにした。

  • 古塔つみさんのツイッターアカウント
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  • ツイートで紹介した手帳は販売停止に
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コレコレさんのライブ配信で、画家の女性が疑いを指摘

   古塔さんは、主に若い女性のイラストを手がけ、「あっ、女子しか描けません。すてきな人しか描けません」をキャッチフレーズにしている。人気も高く、ツイッターに約11万、インスタグラムに約30万のフォロワーがいる。

   そのイラストの一部について、ユーチューバーのコレコレさんが2022年1月28日夜にライブ配信した中で、トレースの疑いが指摘された。

   21年1月に開かれていた古塔さんの個展に行ったという画家の女性が、コレコレさんに情報を提供し、古塔さんの作品の1つに見覚えのある構図があったと明かした。それは、イギリスの写真家デレク・リジャーズさんの作品集「パンクの誕生」にあった有名な写真だという。

   若い女性がタバコを右手に持って男性に抱き付いている構図で、この写真を反転させたうえで、古塔さんの作品と重ね合わせると、袖のしわなどの服の線や顔の輪郭が一致したという。古塔さんの作品では、手の描き方などが少し変えられているように見えたとした。

   他の作品も調べたところ、イタリア人モデルの写真や米メイクアップアーティストの作品をトレースしたような跡が見つかり、少なくとも5、6点の作品に疑いがあったという。これらの作品は、個展で販売されていた。

別の商品は、「トレースの事実なかった」と販売を継続

   ツイッター上などでは、この配信で指摘された以外の作品にも、他の写真などをトレースしたような跡が見つかったなどと次々に指摘が出て、騒動となっている。

   一方で、コレコレさんの配信などでは、古塔さんは、写真家らから何らかの許可をもらっているのではないかとの指摘も出ていた。

   雑貨メーカーのマークスの商品販売サイトでは、古塔さんが描いた若い女性をカバーにした商品「2022年版4月始まり手帳」が販売されていたが、1月30日には、商品ページが削除されていた。その後、手帳のサイトからも紹介がなくなっている。

   この点について、J-CASTニュースではマークスの広報担当者に取材を申し込み、担当者は、2月2日になって次のようにコメントした。

「ネット上での古塔さんの作品に関しての指摘を受けて、当該商品を一旦販売停止の上、その著作権侵害について、事実関係の確認に時間を要しております」

   一方、古塔さんは、ポケットモンスターに登場するキャラ「ポッチャマ」を若い女性が抱いたデザインのTシャツを手がけ、アパレル会社のTOKYO BASEが運営するブランド「PUBLIC TOKYO」の販売サイトで1月29日から販売されている。

   ポッチャマの商品を監修するポケモンは2月2日、広報室の担当者が取材に次のように説明した。

「この商品について調査した結果、トレースしたというのは事実と異なっていました。大きな問題だとは考えておらず、販売は続けていきます。関わる中では問題は起きていませんが、他の活動については関知していませんので、コメントを出す立場ではないと考えています」

   ネット上で指摘が出ていることに対し、古塔さんは、2日20時現在は、公式サイトなどで説明をしていない模様だ。J-CASTニュースでは、1月31日からメールなどで取材を申し込んでいる。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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