東京五輪・パラリンピック組織委員会と国際オリンピック委員会(IOC)などは2021年6月15日、大会中の新型コロナウイルス対策をまとめた選手向け「プレーブック」の第3版を公表した。
第3版にはルール違反した選手、関係者に罰則として制裁金をはじめとし、参加資格のはく奪、国外退去の強制措置などが科されることの詳細が明記された。また、原則として選手が毎日受ける抗原検査に関しては不正防止のために抜き打ち検査を導入する可能性もあるという。
鈴木大地氏「信頼していただきたいと思います」
今回ルール違反者に対する厳罰が「プレーブック」に明記されたことで、スポーツ界や芸能界から様々な声が上がっている。
前スポーツ庁長官で88年ソウル五輪競泳男子100メートル背泳ぎ金メダリストの鈴木大地氏は、6月16日放送の「めざまし8」(フジテレビ系)に出演し、「プレーブック」について言及した。
鈴木氏は「選手はですね、スポーツですのでルールは守ります、基本的に。ルール違反しない人が多いですよ。ですからこういうルールでやりましょうといったらみんなやりますよ。皆さん、信頼していただきたいと思います」と述べた。
また、00年シドニー五輪から3大会連続で五輪に出場した為末大氏は6月16日にツイッターを更新しコメントを投稿した。
為末氏は日本経済新聞が配信した「五輪、感染対策違反で資格剥奪や制裁金 規則集更新」と題したニュースをシェアし、「ここまでやるかというぐらいの対策です。選手のパフォーマンス自体に影響があるほどですが、海外選手にとっては開催できないよりは良いと理解を得られると思います」と持論を示した。
小木さん「その取り巻きというか、まわりの人たちが...」
一方で芸能界からは、人気のある選手がルールを違反した場合、日本が毅然とした態度で「強く言うことが出来るのか」と懸念する声が上がっている。
お笑いタレントのカンニング竹山さんは6月16日放送の「バイキングMORE」(フジテレビ系)に出演し、ルール違反が判明した場合の厳罰について言及した。
竹山さんは「例えばですよ、全部例えばの話」と前置きした上で、「例えばアメリカの選手が遊んじゃった、ダメだとなった。その選手、何の競技でも人気というか、アメリカに映っているNBC(米放送局)も金を出してる。それが出ないとアメリカにとってはふざけんなとなる。その時、日本は強く言えるかな」と疑問を口にした。
同番組に出演した「おぎやはぎ」の小木博明さんは選手の行動規範について「選手はまじめだからちゃんとすると思いますけど、その取り巻きというか、まわりの人たちが選手と接触しますから」と指摘し、「それが怖いと思う」と語った。
当初、第3版は最終版の予定だったが、コロナウイルスの感染の状況次第では今後、改訂する可能性があるという。