「一部の委員から『社交飲食店』との提案があったと聞いていますが...」
こうして見ていくと、社交飲食店と言われても分かりづらい、もしくは言葉の問題ではない、といった厳しい意見が多い傾向にある。ただその中でも「『夜の街』の一括りでは、普通のラーメン屋も、イタリアンも同一視されてしまうから、まぁ、それらとの区別という意味ではええかな」と部分的に理解を示す声もあった。
7月に入ってからはホストクラブなどでの感染者が相次ぎ、報道量も増加。「夜の街クラスター」とも言われ、さらなる感染拡大が懸念されているだけに、「夜の街」には色々な意味で注目が続いているようだ。
ところが、アドバイザリーボードの会合の翌15日午前、菅義偉官房長官が会見で、一転して「社交飲食店」という呼称は使わない方向で調整していることを明かした。「社交飲食店」が具体的に何を指しているかを問われた菅氏は、こう答えている。
「まずアドバイザリーボードの意見交換において、いわゆる『夜の街』をどのように表現するかの議論があったということです。一部の委員から『社交飲食店』との提案があったと聞いていますが、『接待を伴う飲食店』に修文すべく、厚生労働省で事務的に調整していると聞いています」
再度、社交飲食店から従前の表現にするということか、と問われた菅氏は「そうなんだろうと思います」としていた。一夜にして「社交飲食店」の呼称を覆した菅氏の発言には、ツイッター上で「呼び名は何でもいいからやる事やれよ」「社交飲食店、やっぱりやめるんかい!笑」と呆れにも似た声があがっていた。
なお「社交飲食店」という言葉自体は、風営法における営業許可の1区分として多くの行政書士事務所のウェブサイトでも見られ、キャバレーやホストクラブなど客の接待をして飲食させる店のことを指して使われている。