納豆ご飯セット「生涯無料」が呼んだ悲劇 店と客の間に、いったい何があったのか

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   クラウドファンディングのお返しとして納豆ご飯専門店が配布した定食の「生涯無料パスポート」が、店舗利用時に一方的に没収されたとする口コミがインターネット上で拡散している。

   説明を求める声があがったことを受け、店舗側は2020年5月23日、ツイッター上で釈明。無料パスについて「今までと変わらず通常通りご利用いただくことが可能です」というが、問題の口コミの内容については「事実確認は引き続き行っておりますので、順次ご報告させていただきます」としており、29日昼までに詳細は明かされていない。

  • 生涯無料パスポートの対象セット「納豆ご飯定食(梅コース)」(納豆社がCFを募った2019年のリリースより)
    生涯無料パスポートの対象セット「納豆ご飯定食(梅コース)」(納豆社がCFを募った2019年のリリースより)
  • 生涯無料パスはCFの目玉となっていた(納豆社がCFを募った2019年のリリースより)
    生涯無料パスはCFの目玉となっていた(納豆社がCFを募った2019年のリリースより)
  • 生涯無料パスポートの対象セット「納豆ご飯定食(梅コース)」(納豆社がCFを募った2019年のリリースより)
  • 生涯無料パスはCFの目玉となっていた(納豆社がCFを募った2019年のリリースより)

1万円の支援で600円のメニューが「生涯無料」

   納豆ご飯専門店「令和納豆」は納豆バイオテックベンチャー「納豆」(本社・水戸市)が2019年7月に水戸市でオープン。全国各地の納豆とさまざまなトッピングを楽しめるユニークな飲食店だ。

   同社は開店前の19年4月、クラウドファンディング(CF)サイト「FAAVO(ファーボ)」でCFを募った。同年6月に目標300万円の4倍となる1200万円超が集まり、寄付は終了した。

   寄付のリターン(お返し)の1つとして用意されていたのが「納豆ご飯セット一生涯無料パスポート」。「本プロジェクト一押しのリターンです」とプッシュしており、1万円(税込)の寄付で令和納豆の「納豆ご飯セット 梅コース」が、文字通り「一生涯無料で楽しめる永久会員パスポート」となっている。梅コースは600円(税別)なので、17回利用すれば元が取れる計算になる。本人のみ有効、1日1回限り、譲渡禁止といった条件がある。

   この無料パスの定員は当初100人だったが、人気を受けて19年5月に1000人分追加。FAAVOで閲覧できる記録によればこちらも999人が寄付しており、先の100人と合わせて1099人が無料パスを手にしたことになる。なお支援者の総数が1228人であるため、無料パスを求めて寄付した支援者はかなりの割合にのぼる。

   ところが20年5月、Googleマップに投稿された1件の口コミがネットで注目された。「1万円のクラウドファウンディングで納豆定食が一生涯無料になる永久会員パスポートの所持者でした」と明記したうえで、「ある日、唐突に店員から『本日からパスポートは使用できない』と、一方的にパスを取り上げられました」としている。

   この口コミによると、没収の理由は「規約違反」で、「毎回、無料の納豆定食しか頼んでいない」「メールでのアンケートの回答が不誠実だった」の2点から「規約にある『当店と会員の信頼関係が損なわれたと認めた場合』に該当する」と判断された。それまで15回無料パスを利用していたという。「『1万円で納豆定食が一生涯無料!』と甘いことを謳って金を集めておきながら、信頼関係がなくなったと一方的にパスを取り合げる。こんな詐欺まがいの店に怒りを感じています」と憤っている。

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