スウェーデンの環境保護活動家のグレタ・トゥーンベリさん(16)とドイツ鉄道との「舌戦」がメディアを騒がせている(グレタさん「床座り写真」で注目 ドイツ鉄道「ファーストクラス」はどんなサービス?)。「舌戦」のきっかけとなったのがドイツ鉄道の車内混雑だった。
ヨーロッパにおける車内の混み具合が話題となっているが、ドイツやヨーロッパ諸国の座席予約はどのような仕組みなのだろうか。
ドイツは予約がなければ座って良し
今回話題となったドイツ鉄道の優等列車は基本的に「任意予約制」と呼ばれる予約システムを採用している。「任意予約制」を一言で説明すると座席予約は可能だが義務ではないシステムだ。予約がなく空席であれば着席できる。
「任意予約制」を採用している列車は各座席の上部に予約の有無を示す表示がある。もし、空白であれば追加料金なしで目的地まで座れる。一方、「A駅―B駅」という表示あれば、A駅からB駅の区間は予約が入っているため座れない。
人気のある列車や区間では予約により満席になる場合もある。そのような路線や区間を利用する場合は各鉄道会社のホームページや駅窓口で事前に予約することをおすすめする。
ドイツ以外に「任意予約制」を採用している国はスイス、オーストリア、チェコなどが挙げられる。なお、「任意予約制」採用国でも「予約必須制」の列車もあるので注意したい。
予約しなければアウト!「予約必須制」の国も
ヨーロッパの鉄道で複雑なことはすべての国が「任意予約制」を採用していないことだ。優等列車の乗車には予約が必要な「予約必須制」の国もある。切符には着席する座席番号が明記されている。もちろん、乗客自らが予約時に好きな座席を選ぶことも可能だ。
「予約必須制」の採用国はイタリア、スペイン、ポーランド、ハンガリーなどだ。「予約必須制」の長距離列車ではグレタさんのように座り込んでいる乗客は見たことがない。
それでは「任意予約制」採用国から「予約必須制」採用国へ向かう列車の予約システムはどうなるのだろうか。答えは原則として予約が必要だ。たとえば、「任意予約制」採用国のオーストリアから「予約必須制」採用国ハンガリーへ向かう高速列車「レイルジェット」に乗車する場合は予約がいる。国際列車を利用する際は各列車の予約システムを確認してほしい。
(フリーライター 新田浩之)