阪急電鉄の車両内に掲示された「中吊り」をめぐり、ネット上で批判の声が集まっていた問題で、企画を2019年6月11日以降中止する。
阪急電鉄広報部の担当者が10日、J-CASTニュースの電話取材に対し明らかにした。この企画では、研究者や経営者らの「はたらく言葉」を紹介。6月30日まで続く予定だった。
阪急「事前チェックが不十分でした」
企画は、阪急電鉄と、企業ブランディングなどを手掛ける会社「パラドックス」がコラボレーションして実施した。パラドックス社が刊行する、働く人たちの言葉を集めた本「はたらく言葉たち」に収められている文言を紹介。「ハタコトレイン」と称し、神戸・宝塚・京都各3線を対象とし、1編成ずつ「車両ジャック」を展開していた。
阪急の担当者は10日夕、取材に対し、「一部、メッセージに不適切な内容があるので、明日以降は運行中止します」と回答した。担当者は、「我々も見てチェックしていたのですが、思いが至らなかった。今日順次、列車を車庫にしまって作業に入ります」と説明。「思いが至らず、事前チェックが不十分でした。その点について反省しております。再発防止に努めたい」とコメントした。
車内掲示された「はたらく言葉」には
「毎月50万円もらって毎日生き甲斐のない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか」
「私たちの目的は、お金を集めることじゃない。地球上で、いちばんたくさんのありがとうを集めることだ」
などとしたものがあった。中吊りの内容をめぐり、ネット上では
「月30万で低い方なの...?十分じゃね...?と思ってしまった昔はそんくらいだったんだねえ...あれは誰が作ってんの?大昔の人?」
「時代の違う感性だな...」
などの批判の声が上がっていた。
(J-CASTニュース編集部 田中美知生)