「引退おめでとうございます」――。そう聞いたら違和感を覚えるだろうか。イチロー外野手(45)の引退会見で報道陣からこの言葉がかけられ、インターネット上で議論が起きた。
「失礼ではないか」と苦言も出る一方、「メジャーの文化をよく分かってる」と理解を示す声も数多い。実際、米大リーグではこれまでも、引退する選手に「おめでとう」の言葉をかけている。
「おめでたいのかなあ」「MLBではそう言う」
シアトル・マリナーズのイチローは2019年3月21日深夜、開幕カードを戦った東京都内で会見。約60分が経過したところで報道陣の1人が、「引退おめでとうございます」として質問を切り出した。
ツイッターでこの様子を見ていたユーザーからは、
「『引退おめでとうございます』は絶対許さない」
「選手としてプレーが出来るのが1番なはずなのに... 辞めて、おめでとうございますって失礼じゃないかな」
「おめでたいのかなあ。定年まで勤めきった、とは違うし、あんまり嬉しい事じゃないし」
と違和感を示す書き込みが続出していた。背景には「引退=ネガティブなこと」という認識があるようだ。
だが、すぐにこうした声への異論も出ることになった。
「『引退おめでとうございます』は日本のファンは驚いたかもしれないけど、MLBではそう言うんですよ」
「引退を『終わり』と考える日本。引退を『次への門出』と考えるアメリカ」
「メジャーの文化をよく分かってる」
「そもそも『クビ』ではなく自分で引退を決められるところまで現役で居続けることへの祝辞」