上智大学(東京都千代田区)は2018年8月30日、同大教員がニュースサイトに寄稿した、ホテル予約に関する記事について、曄道佳明学長の名義で「多くの皆様にご不快な思いをさせ、ご心配をおかけし、世間をお騒がせしましたことについて、謹んでお詫び申し上げます」と謝罪した。
教員の名前は明記されていないものの、8月20日に「泊まってないのに高額請求!? 旅行サイトの落とし穴 体験記」と題した記事をYahoo! ニュース個人へ寄稿していた、上智大学文学部教授でジャーナリストの水島宏明氏(60)とみられる。
名指しで「今後2度と使うことはない」
寄稿記事では、旅行予約サイト「エクスペディア」を使って、岩手県釜石市にある「ホテルルートイン釜石」に宿泊した際の不満を訴えていた。
詳細はこうだ。水島氏は「エクスぺディア」上で同じホテルを誤って二重予約していたものの、それに気づかず宿泊後にキャンセル料を請求されたという。
水島氏は「突き詰められれば私に非がある話だ」としつつも、エクスペディアのカスタマーサービスに「ホテルにも落ち度があるのではないのか。納得できない」などと電話で伝えた。
交渉の結果、水島氏が支払うキャンセル料は宿泊代の50%に。ホテルルートインの宿泊約款では、当日キャンセルの違約金は通常であれば宿泊代の100%(繁忙期の場合)だった。
それでも腹の虫は収まらなかったようで、記事中では、エクスペディア・ホテルルートインの名前を太字で記し、
「私自身は、この名前がつくものをもう今後2度と使うことはないだろう」
と主張。「旅行サイトもホテルも、杓子定規で細かい客のニーズに対応できないところは淘汰されるべきだろう」とも書いていた。
J-CASTニュースでは8月24日付記事「上智大教授、宿泊トラブルに『逆ギレ』記事 大炎上で削除も...ホテル側『誠に残念』」で詳報している。
水島氏へは「厳重なる注意」
水島氏は、J-CASTニュースの取材に「本件に関する取材には応じない」と回答していたが、8月25日にツイッターで騒動を謝罪。
「今後もジャーナリズムの世界を実践し、研究する人間として様々な問題提起を行っていきたいと存じますが、発信にあたってはさらに慎重に行うよう努めてまいりたいと存じます」
と書き込んだ。
それから5日後には上智大からも冒頭の謝罪文が発表され、
「当該教員に対しては、所属組織の責任者が記事掲載の経緯および事実を確認の上、厳重なる注意を行い、当該教員から関係者の皆様に対し謝罪いたしました。予約ミスに際し発生したキャンセル料金につきましても、誠意をもって対応してまいります」
と大学側の対応を説明。
「このような事案が本学の教員によってなされたことは誠に遺憾であり、残念でなりません。今後、二度とこのようなことを起こさぬよう規律遵守を徹底し、再発防止に全力を尽くす所存です」
と結んだ。