阪大スウェーデン語研究室は、何故あえて声を上げた? センター「ムーミン」設問、本当の問題点

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「ムーミン谷」は「架空の場所」

   センター試験地理B第5問の問4では、フィンランドかノルウェーを舞台にしたアニメであるとした2作品の挿絵(選択肢タ・チ)と、ノルウェー語かフィンランド語を書いた2つの例文(選択肢A・B)から、フィンランドの組み合わせとして正しいものを問うた。挿絵の作品は『ムーミン』と『小さなバイキング ビッケ』で、模範解答では前者をフィンランドとしている。

   見解文ではまず、この設問は高校地理Bで学ぶ語族の知識や、挿絵にある森や船の描写から解答を導き出すことができるとし、「新しい趣向を凝らした」設問だと一定の評価を示す。だが、続けて「この設問が抱える問題」をあげている。

   設問文に「『タとチはノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーション...である』と記されている点」を適示しながら、一方で原作者トーベ・ヤンソンが書いた『ムーミン』の舞台「ムーミン谷」は、同研究室が確認している限り「架空の場所であり、フィンランドが舞台だと明示されておりません」と指摘し、「ムーミンがフィンランドを舞台としているものとは断定できません」とした。また『小さなバイキング ビッケ』も、作中の舞台が「ノルウェーだとは明示されていません」としている。このような同設問の不備について、「大学入試センターに確認を求めていきたい」と意向を示した。

   その上で見解文は「この設問がセンター試験の受験生をはじめ日本社会に与える危険性について危惧を表明する」と続く。

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