在来線の券売機で、行き先ではなく価格を見て切符を買わねばならないことに対し、疑問を呈する声がツイッターに投稿されており話題となっている。
確かに、券売機のタッチパネルには価格だけが表示されていることもしばしば。ネットではツイッターの投稿に「言われてみりゃ確かに」と同じ意見を持つ人も多く見られるが、一体何故なのだろうか。J-CASTニュースが取材した。
操作がタッチ1回で済む、コストの問題など指摘する声
話題の契機となったのは、2017年10月22日に投稿された、あるツイッターユーザーのツイートだ。それによると、現在の券売機には高性能の液晶タッチパネルが導入されているのに、行き先ではなくわざわざ価格で切符の購入を行わせることはおかしい、としている。このツイートは26日現在、7万8000超のリツイート、10万2000超の「いいね」を獲得している。
このツイートに対してはその是非や「本当そうだよな、画面桃鉄みたいにすればいいのにな」など理解を示す声が多く上がったほか、「なぜ価格表示の券売機が多いのか」ということについての議論がネット上で盛り上がり、
「・上の大きな路線図から行先を探す方が速い ・操作がタッチ1回 ・ボタン式に操作方法を合わせることでタッチパネル式に慣れない人も簡単に扱える 等の利点はあるかと思います」
「(行き先を表示する場合、)選択するまで時間がかかり 切符を買う時間が一人一人ながくなって 回転率が大幅に下がるのかと思います」
といった声や、駅ごとに異なる画面表示をするコストを鑑みると、「すべての駅に共通の券売機を置くのは単純にコストという点では正しい」といった意見もあり、様々に考察している。
ツイッター上には、地域によっては在来線であっても価格ボタンの下部に行き先を表示したり、路線図から検索できる券売機もあるという指摘も見られた。東京メトロの広報担当者によると、同社では現在全駅で価格・行き先・駅のナンバーで切符の購入が可能になっているという。
駅の数が多く、国鉄時代の仕組みをそのまま踏襲
J-CASTニュース編集部は、17年10月26日にJR東日本の広報担当者に取材を行い、なぜ在来線の券売機は基本的に価格表示なのか、その理由を聞いた。
JRが券売機を導入したのは国鉄時代で、ボタンを押して切符を購入するタイプのものだった。当時、すべての駅を券売機のボタンに入れるだけのスペースもなく、価格表示にせざるを得なかった。タッチパネルが導入されたいまでも、他の私鉄などと比べてもJR東日本では駅の数が膨大であることもあって、国鉄時代の仕組みをそのまま踏襲しているという。
一方、新幹線など、中・長距離の乗車券については行き先を検索して乗車券を購入する。これについては同じ場所に行くにも値段が変わり経路の指定が必要となるため、行き先と経路の指定をする仕組みになっているとしている。
今後、在来線の行き先表示での切符の販売については、「導入を検討中」との回答だった。