騒音やゴミ出しなどを巡るトラブル多発
一方、最近じわじわ広がっているのが、外国人による医療費の未払い問題。訪日外国人の約3割は旅行保険に加入しないまま入国しているとされる。このため、病気やけがで病院にかかった場合、全額自己負担となり、「請求される医療費はかなりの高額に膨らむため、支払わないまま出国してしまうケースが珍しくないようだ」(旅行業界関係者)という。厚生労働省は医療費未払いの実態調査に乗り出し、解決策を探る方針だ。
2016年の訪日外国人旅行者数は約2404万人。政府目標の4000万人まで増やす場合、避けられないのが宿泊施設の不足という課題だ。既存のホテルや旅館ではとうてい受け入れが困難なため、民泊を受け皿にしようと、さまざまな制度が動き出している。だが、すでに民泊を行っているケースでは、外国人による騒音やゴミ出しなどを巡るトラブルが多発しており、民泊を広げるのも容易ではない。
都内では、「一時停止」に「STOP」、「徐行」に「SLOW」と英語を併記した道路標識の設置が始まるなど、訪日外国人対応の動きは進んでいるものの、課題は多岐にわたり、政府や自治体の早急な対応が求められる。