北海道奥尻町で副町長(58)の妻に対して、共働きに批判があるとして町長から町職員の退職勧奨を受けたと報じられ、ネット上で論議になっている。
「男女共同参画社会の時代だが、高給の町職員の共働きに批判的な町民の声もある」。北海道新聞の2017年4月26日付記事によると、町長は、副町長に対し妻の退職を促したことを認め、こう説明したという。
副町長の再任めぐり議論に
奥尻町議会では3月10日、副町長の再任案について、議長らを除く6人で無記名投票した結果、反対多数で不同意になった。副町長の任期は4年で、3月29日で任期満了を迎えた。これに対し、町長は、町議らの意向を踏まえて、男性を通じその妻に退職を促し、妻は、それに応じて、4月に入って9月末で町職員を辞めるとする退職願を提出した。
副町長の再任案は4月27日の臨時議会に再提出され、議会は全会一致で同意し、この日から2期目がスタートした。
退職勧奨については、地方公務員法には明記されていないが、要綱を作って行っている自治体も多い。
共働きの公務員で妻が退職勧奨されたケースは、ほかの自治体でも過去に何度か報じられている。福島県白河市では01年、部長に昇進した職員の妻が勧奨退職したことが分かり、論議になった。共働きだと、ほかの職員に影響が出たり、公務員のポストが増やせなかったりするという声や、反対意見としては、女性の働く権利を奪うといったものがあった。
もし、女性を主な退職勧奨のターゲットにすれば、性別などでの平等取扱の原則を定めた地方公務員法第13条に違反することにもなる。