「そうした施設が存在するというのは、初めて聞きました」
ステラ事業所では、遺体の保管期限は定めていないというが、警察の調査や身元引受人の確認が長引けば、最長で数か月ほど預かる場合もある。保管中に身元引受人が見つかれば引き渡し、それ以外の場合は火葬場まで搬送・出棺する。実際の火葬手続きや遺骨の管理は自治体が行うという。
また、同様の施設が他に存在するかを燦HDに尋ねると、「当社が運営する身元不明遺体の保管施設は、全国でこのステラ事業所だけになります」と答えた。競合他社が同様の施設を運営しているかについても、「把握していない」という。
全日本葬祭業協同組合連合会にも、ステラ事業所のような施設が他に存在するか尋ねたが、「当団体では把握しておりません」との回答だった。
さらに、全国各地のホームレス支援団体が加盟するNPO法人「ホームレス全国支援ネットワーク」は、「そうした施設が存在するというのは、初めて聞きました」と答えた。理事によると、「通常は警察が遺体を保管し、自治体が依頼した葬儀業者が直接引き取って火葬することが一般的」だという。
どうやら、かなり珍しい存在のようだ。一般の人には縁遠い存在のようにも思えるが、アルバイト情報「タウンワーク」ウェブ版には、ステラ事業所の求人募集が見つかる(直近では、2月中旬まで募集。現在は応募停止)。身元不明の遺体を出棺する搬送スタッフを募集していたページには、「ほとんどの方が未経験スタート!」「やりがいを感じながら働けるお仕事です!」といった明るいキャッチコピーが並んでいた。時給は1450円だった。