ツイッターの「お気に入り(Favorite)」機能に変化が起きた。2015年11月3日、星型だったアイコンが突然ハート型となり、名称も「いいね(Like)」に変更されたのだ。
これまでお気に入りに登録することは、単に「いいね」という気持ちを伝えるだけではない、幅広い使い方がなされてきた。そのためユーザーからは、早くも戸惑いの声が続々と上がっている。
好意的な感情が強調されすぎる?
「お気に入り」は、自分や他人の気になったツイートに星マークをつける機能。ユーザーたちはこれを「ふぁぼ」(Favoriteが語源)と呼び、気にいったツイートを見つけた時以外にも使ってきた。たとえば、つけることで相手に好意を示したり、ツイートを読んだことを間接的に伝えたり、ブックマークとして役立てたり、時には星を一気につけて「攻撃」したり...といった具合だ。
ツイッター社は、今回の変更について主に2つの理由を挙げている。1つは、ユーザー、特にツイッター初心者にとって星アイコンが分かりにくいものだったこと。もう1つは、ユーザーが好きだと思うもの全てが「お気に入り」とは限らない、ということだ。
その上でハートアイコンの「いいね」は、星アイコンの「お気に入り」よりも分かりやすいだけでなく、「かわいい」「がんばって」「ハグ」「笑」といった「幅広い感情を表現しやすい」などとしている。
だが、突然の変更にユーザーは大騒ぎだ。「かわいい!」「使いやすいね」などと歓迎する声もあるものの、全体としては「戻してほしい」「星を返して」「用途がかなり限定的になった」といった反対の声が目立っている。
もっとも、はじめから「いいね」の意味で使っていた人たちにとってはさほど問題はないだろう。
ただ、ブックマークとして使用していた人たちは使いづらさを感じているようだ。ハートの「いいね!」は星の「お気に入り」に比べて好意的な感情が強調されることから、淡々と使うことができなくなってしまった、ということらしい。また「既読」の意味で使うにしても、「いいね」ではしっくりこないと感じている人が多いようだ。
ウーマン村本「好きでもない人にハートを送ることが普通に」
思わぬ「トラブル」を指摘する声もある。4日には、日頃から積極的にツイッターを使っている「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さんが変更に反応し、
「好きでもない人にハートを送ることが普通になる。彼女ができたときにツイッター見つけて知らない男のツイートにハートをつけてるのをみつけ、嫉妬し、けんかになり、別れる。おれの未来を決めたな。ツイッター社」
と、ハートの「弊害」をつぶやいた。もちろん「ハートが原因で破局」は冗談だろうが、実際に「異性につけにくい」「勘違いする人出てきそう」といった声は少なくない。
他にも、「ツイッターのふぁぼ文化、奥ゆかしくて好きだったのに」「ふぁぼは死んだ」「もう二度と『ふぁぼ』って言えない」と長年にわたり築き上げられてきた「ふぁぼ文化」を破壊してしまったことに対する不満の声も聞こえてくる。
このように反対派の声はなかなかに大きく、「#いいねに変わる新しいボタン」というハッシュタグがトレンド入りするほど盛り上がりをみせている。
なお、ツイッタージャパンは、公式アカウントにさまざまな意見が寄せられていることを受け、
「ひとつひとつお答えすることができないので返信はしていませんが、すべて目を通させていただいています。貴重なご意見をありがとうございます!」
とコメントしている。