太平洋メジマグロ、漁獲半減で合意 全体では小売価格への影響少ない

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メキシコが猛反発、東側海域では合意できず

   同時に、日本はすでに自主規制をしてきていて、未成魚の漁獲量は2012年には3815トンまで減っているという事情も指摘される。既に4007トンという新たな上限を下回っているわけで、「実害は少ない」(同)という読みがあるのだ。

   太平洋クロマグロの未成魚漁は、漁獲量の6割を日本が占め、メキシコが約3割、韓国が約1割とされてきた。太平洋の東西海域を別々の国際機関で管理していて、メキシコについては東側の海域を担当する全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)で議論している。ちなみに、IATTCでは7月の会合で日本が半減案を示したのにメキシコが猛反発し、合意の見通しは立っていない。

   今回、WCPFCでは韓国が日本の提案に反対し、激論になった。といっても、韓国がクロマグロの大消費国であるわけではない。韓国は漁獲量を急速に伸ばし、2012年は1406トンになっている。これが、日本案では718トンに制限されるため、抵抗したのだが、資源回復の国際的な圧力に抗せず、最終的に受け入れた。

   今回の規制で、国内の価格はどうなるのか。比較的安価なメジマグロの流通が減って値が多少上がる可能性はある。ただ、日本人が食べているマグロは太平洋クロマグロだけではなく、大西洋クロマグロやミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガと、多くの種類があり、「国内のマグロ類全体の流通量約40万トンのうちクロマグロは太平洋と大西洋を合わせても約2.1万トンと全体の5%程度」(水産庁)で、太平洋クロマグロの未成魚の規制強化でも、小売価格への影響は限られそうだ。

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