AP通信「まれにみる暴力的な政治的抗議」
これに対して国外のメディアは、事件そのものについては日本メディアを引用する程度だが、男が主張していた集団的自衛権の問題について背景を長めに報じている。AP通信は、事件を「まれにみる暴力的な政治的抗議」だとした上で、行使容認については、
「戦争放棄を定めた憲法9条を壊すものだと批判する人もおり、反対派グループは首相公邸の外で持続的だが平和的な抗議を行ってきた」
と伝えた。AFP通信も「日本ではこういった事件はきわめてまれ」と驚きを隠さない。事件の様子がツイッターなどで瞬く間に伝わる日本独特の事情も伝えた。
「ソーシャルメディアは、通行人の間の前で起きた火事に関する書き込みや写真であふれた」
英BBCは、
「国内で意見は二分されている。動きを批判する勢力は軍国主義の高まりを警告し、保守派は、(集団的自衛権を保持しているが行使できないという)制約は日本に押し付けられたダブルスタンダードだと主張している」
と解説。ロイター通信は、今回の動きが大きな転換点になりうることを伝えた。
「戦後平和主義から離れる大きな1歩で、日本の軍事的選択肢を広げることになる」
「主張を強めている中国をいらだたせそうだが、同盟国の米国からは歓迎されそう」