桜島の火山灰で九州新幹線車内「灰まみれ」 火事と勘違い?非常ブザーが押される

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「宝永噴火」並みで都心は2~10センチの火山灰

   専門家によると今回の桜島の噴火は、ただちに大規模な噴火につながるものではないという。鉄道にもあまり影響が出なかったのは幸いだ。もし首都圏で同様の事態になったらどうだろう。

   仮に富士山が噴火したら――。確かに桜島と比べて頻繁に噴煙をあげているわけではないが、気象庁が「常時監視が必要」とする47火山のひとつに指定されている。内閣府「広域的な火山防災対策に係る検討会」は2012年、富士山が大規模噴火した際に想定される降灰による被害のシナリオをまとめている。

   シミュレーションでは1707年の「宝永噴火」と同程度の爆発が起きる設定で、「総噴出量約7億立方メートルの火山灰が16日間降り続く」とした。2011年の新燃岳噴火の総噴出量が0.2億立法メートル、2000年の三宅島噴火でも0.16億立法メートルだったので、その規模の大きさが分かる。この場合、東京都心部には2~10センチの火山灰が積もる可能性があるという。神奈川県横浜市の西部から静岡県の熱海、三島付近までは10~30センチに達する予想だ。この一帯は東海道新幹線が東西を貫いている。鹿児島市交通局が、5ミリの降灰で運行不能の陥ると指摘したことを考えると、これほど大量の火山灰が堆積すれば新幹線も走行を続けられるとは思えない。

   もっともこれほど大きな噴火による降灰なら、鉄道だけに限らずあらゆる交通機関が打撃を受けるのは明らかだ。だが仮にずっと規模が小さかったとしても、首都圏に影響が及べばそれが全国に波及するだろう。内閣府「広域的な火山防災対策に係る検討会」が2013年5月16日にまとめた提言の中では、「大規模降灰の知見が不足(高度に発達した都市の被災経験がない)」と指摘されており、交通機関を含む社会システムに及ぼす降灰の影響と対策の調査研究を進めるよう促している。

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