イギリスを代表するロックバンド、OASISの元ギタリスト兼ボーカリスト、ノエル・ギャラガーさん(45)が来日時の感想を書いたブログが「誤訳」され、ネットで騒動になった。「日本の音楽番組はクソ」といった内容だったために、勘違いしたネットユーザーがノエルさんのサイトに「突撃」するほどの事態になった。
ノエルさんは2012年5月下旬、ソロプロジェクトの武道館公演含む、日本ツアーのために来日。25日放送の音楽番組「ミュージックステーション」(テレビ朝日)にも出演した。
公式サイトでMステ出演を振り返る
番組では、「日本のお客さんの前でプレイするのが大好き。日本に戻って来られて最高。ライブに来てくれてありがとう。フジロックでもお会いしましょう」と語り、最新シングル曲を披露した。番組終盤に、「今日のミュージックステーションはどうでしたか?」と聞かれ、「クレイジーだった」と笑顔で返答。楽しかったようだ。
26日には、ノエルさんのサイトにMステ出演の感想を綴った日記がアップされた。「あの番組は分かってはいたんだけど、すげえやばかった。あの手の日本の番組が何を狙っているのか理解するのはとても難しい。でもまあ、『トップ・オブ・ザ・ポップス』みたいなもんだろ」と振り返る。
たくさんの日本人出演者と共演したことについて触れ
「その中の一つにはAKB48っていう造られた感じの女の子のグループがあったんだ。マジな話、30人ぐらいの女の子がいて、みんな年齢が13~15歳なんだ。一気に自分が年老いたなと感じたね」
タモリさんについては「司会者はすかした爺さんで、ジェームズ・ボンドの悪役みたい」だったとし、「騒がしいし、忙しいしでカオスだった。なぜ、自分がそこにいるのか神のみぞ知るって感じだった」とした。
悪意の込められた誤訳、アンチAKBの仕業か
日本での番組出演をくだけた口調でサラッと語っただけだったが、これが2ちゃんねるに、間違った翻訳で貼られた。
「あの日本の歌番組は、おまえらも予想してるだろうけどクソだし狂ってる。なんでこんな番組が日本で支持されてるのか理解できない」
「俺は一山いくらのクズみたいなジャップの自称ミュージシャンの連中と無理やり共演させられたんだが、その中に工場から大量出荷された粗悪品みたいなAKB48。(中略)無駄に30人くらいいたんだが全員13歳から15歳くらいの糞ガキだったんだよ!」
と、番組と出演者を批判する内容で、「糞ガキ」といった原文にはない言葉も付け加えられている。誤訳というよりも歪曲、捏造に近い。
これがすぐにネット上で拡散。特に怒ったAKBファンからは「こんな外人しらんわ いちいち日本に来るなカス」といった声が出た。ノエルさんのサイトのコメント欄にも「何て人種差別的なコメントなんだ!嫌なら日本に来なくていい」といったものが寄せられた。
その後、誤訳であるという指摘が多数出て、現在は騒動も収まっている。なぜ、このような悪意の込められた誤訳が広められたのかは謎だが、2ちゃんねるの、AKB以外のアイドルを応援している板では27日に、ノエルさんの日記について「アケカス(注:AKBファンやメンバーの蔑称)をボロクソに批判した文章に改変して拡散しようぜ」といった書き込みも寄せられていた。