東海テレビ「セシウムさん」問題、各所に余波 民放連会長「あまりにも常識欠いた表現」

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   東海テレビが岩手県産米のプレゼント当選者を「怪しいお米セシウムさん」などと表示したことで、各所に波紋が広がっている。日本民間放送連盟の会長が「あまりにも常識を欠いた表現」とコメントを発表し、全国農業協同組合中央会(JA全中)はCM提供の一部中止に踏み切った。

   問題の放送は、2011年8月4日の情報番組「ぴーかんテレビ」内で起きた。番組中、岩手県産米の当選者を「怪しいお米セシウムさん」「汚染されたお米セシウムさん」などとしたテロップを約20秒間にわたって表示し、直後に「不謹慎な内容でした」と番組内で謝罪した。

東海テレビ社長が特番で謝罪

   同局は原因について、CG制作会社の担当者が「ふざけ心」で作成したリハーサル用テロップが操作ミスで表示されたためだと説明し、管理体制の甘さがあったことを認めた。なお、翌日5日の放送時間には約2分半の謝罪放送を流した後、代替番組としてアニメを放映。「ぴーかんテレビ」は当分の間休止するとしているが、同局には抗議電話が殺到しているという。

   これに対し、民放連の広瀬道貞会長は「あまりにも常識を欠いた表現であり、岩手県内をはじめ関係各位、視聴者のみなさんには大変なご迷惑をおかけしたことを誠に申し訳なく思う」と、コメントを発表した。

   また、会員各社に対しては「改めて、この機に健全な放送人としての倫理観の確認や社内議論の深化に取り組んでいただくようお願いいたします」という主旨の異例の要請を行った。

   さらにJA全中は、東海テレビで放送されている情報番組「にじいろジーン」(フジテレビ系)について、6日分のCM提供を中止。これにより愛知・岐阜・三重の3県ではCMが差し替えられた。7日以降の対応は検討中という。JA全農いわては5日、東海テレビに抗議していた。

   東海テレビは事態の重大さから、5日夕方に特別番組「不適切な放送のお詫びとご報告」を放送し、浅野碩也社長が直接謝罪した。後日検証番組を放送する予定という。

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