牛丼チェーンの値下げ合戦が激しさを増してきた。「松屋」と「すき家」は期間限定で並盛りを250円で、「吉野家」も270円で売り出す、といった具合だ。各社とも期間限定としているが、背景には値段を下げないと売れない、という実態があるようだ。
「松屋」を展開する松屋フーズは、「牛めし」並盛りを2010年4月12日~23日の期間限定で、70円値下げして250円で売る、と4月5日に発表した。「新生活応援キャンペーン」として実施する。並盛りの他のサイズも70円引きとなる。
おいしさも向上させた
キャンペーンにともない、タレは化学調味料、人工甘味料、合成着色料、合成保存料を使わず、米はコシヒカリにした。広報担当者は、「安くするだけでなく、おいしさを向上させていく」と話している。
「すき家」を運営するゼンショーも4月9日~21日に都市部の百数十店で牛丼を30円値下げする。並盛りは250円となる。新規客を取り込むためで、広報担当者は、「サラリーマンや学生の多い店舗で実施し、お昼に牛丼を食べるという習慣のなかった層にも広げていきたい」といっている。一方、250円を通常価格にすることは「考えていない」としている。
「吉野家」は4月7日~13日、牛丼を通常価格より110円値引きして並盛りは270円で売り出す。発表は3月31日。その後「松屋」と「すき家」が相次いで250円に値下げした形だ。これについて広報担当者は、「他社が250円にしたことでの影響は考えていない。牛丼業界にとってプラスの効果になればいい」と話している。