NTT労組は再統合を望ましい姿と経営陣と歩調合わせる
では、仮に民主党が政権与党になった場合、この問題はどう扱われるのか。
当時の与党・自民党との合意事項だから拘束されないとして、合意を簡単に反古に出来るかといえば、そう簡単ではない。政府の経済財政運営の基本方針(骨太の方針2006)に盛り込まれ、閣議決定されており、政府の公的な約束事なのだ。
KDDIの小野寺正社長兼会長は、固定分野でのNTTグループの優位性が変わらないとして、大きな不満を事あるごとに訴えている。固定回線の開放のため、回線保有部門の完全な切り離しを求める構えを見せている。そのKDDIの一方の前身であるDDIの創業者、稲盛和夫・京セラ名誉会長と民主党とのパイプは太い。
他方、民主党の支持母体である連合内で、日本郵政グループのJP労組に次ぐ規模のNTT労組は再統合を望ましい姿として、NTT経営陣と歩調を合わせる。相反する主張に民主党がどの立ち位置を取るか。その意味でも総選挙の行方に関係者は注目している。