りそな細谷会長は続投を決断
一方、りそなは03年の実質国有化時に約3兆円の公的資金を抱えていたが、収益力回復とともに返済を進め、現在の残高は約2兆円。これも剰余金の蓄積で返済原資の約8割を確保していて、今年夏にも完全返済計画を明示し、実質国有化以来、再建の指揮を執ってきた細谷英二会長(元JR東日本副社長)が花道を飾って引退する構想を描いていた。
ところが、りそなも09年3月期決算は1239億円の最終黒字を確保したものの、前期比59%減の大幅減益に陥り、シナリオの練り直しを余儀なくされた。去就が注目されていた細谷会長は、経営立て直しのため、続投を決断し、公的資金の返済は、金融危機を乗り切った段階まで先送りする方針を表明した。「自分には公的資金の本格返済まで実行する責任がある」と繰り返し強調する細谷会長は「今は我慢の時期」と自らに言い聞かせているという。