ソニー、東芝営業赤字転落 金融危機余波が自動車から電機業界に

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   ソニーの2009年3月期連結決算が、1995年3月期以来、14年ぶりに営業赤字に転落する見通しになった。東芝も1000億円規模の大幅な営業赤字に陥る見込みだ。いずれも世界的な需要の冷え込みと急速に進む円高が要因で、他の大手電機メーカーにも業績悪化や下方修正の動きが広がる可能性は高 い。08年9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの破たんから始まった金融危機は、まず自動車業界を襲い、今や電機業界をも飲み込もうとしている。

「世界各国でデジタル家電を中心に急速に売れ行きが伸び悩んできた」

   ソニーは09年3月期連結営業損益が、従来予想の2000億円の黒字から一転し、大幅な赤字になる見込みだ。電機業界では、「リーマン破たん後の昨秋以降、世界各国でデジタル家電を中心に急速に売れ行きが伸び悩んできた」(業界関係者)との声が広がっており、ソニーも液晶テレビやデジタルカメラなど主力のエレクトロニクス(電機)部門は大打撃を受けている。最大需要期ともいえる08年の年末商戦についても、今回は「全般的に厳しく、北米と欧州は 思ったより鈍かった」(中鉢良治・ソニー社長)という状況で、需要回復のめどはまったくたっていないのが実情だ。

   さらに、外国為替市場では急速に円高が進んでおり、収益を大きく圧迫している。ソニーの下半期の想定為替レートは1ドル=100円だが、実際に は1ドル=90円前後で推移している。対ドルで1円円高が進めば営業利益で年間40億円が吹き飛ぶソニーにとって、痛手はかなり大きい。円高による減益分だけでも約1000億円に上る可能性があるという。

   一方、デジタル家電向けや自動車向けの半導体も世界的に需要が急減しており、半導体事業や半導体子会社を抱える電機メーカーの業績への影響も深刻だ。東芝も「半導体事業が大変な赤字。もはや事業が生き残れない状況」(西田厚聰社長)。東芝の09年3月期営業損益の従来予想は1500億円の黒字 だったが、IT(情報技術)不況の直撃を受けた02年3月期以来、7年ぶりの営業赤字に転落する見通しだ。

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