原料炭価格が一気に3倍 車や家電も値上げになる

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   新日本製鉄JFEスチールなど国内の大手鉄鋼メーカーが、豪英系資源大手のBHPビリトンとの交渉で、2008年度に購入する鉄鋼原料用の石炭(原料炭)価格を前年度の約3倍の価格で購入することとなった。鉄鋼石についても大幅な値上げが決まっており、鋼材価格の大幅な引き上げにつながりかねない情勢だ。鋼材を使用する自動車や家電などの最終製品の値上げにも波及し、消費を冷え込ませる可能性が指摘されている。

鉄鉱石価格の値上げが追い討ち

自動車への価格転嫁は進むのか(写真はイメージ)
自動車への価格転嫁は進むのか(写真はイメージ)

   新日鉄などは原料炭について、2007年度は1トンあたり98ドル(約1万円)で購入していたが、今回の交渉では一気に同300ドル(約3万円)の引き上げで合意した。原料炭の価格は2003年度には同46ドルに過ぎず、08年度はわずか5年前の6倍超に上る計算だ。

   原料価格高騰の背景には、中国やインドなど新興諸国の急速な経済成長により、原料炭などの世界的な需要が急拡大していることが大きい。さらに、BHPビリトンが同業のリオ・ティントに買収提案するなど、世界規模では資源メジャーの寡占化が進んでおり、世界的に鉄鋼メーカーの価格交渉力が弱まって いることも要因だ。

   新日鉄などの鉄鋼メーカーは2008年度の鉄鉱石価格についても、既に前年度より65%増の同約79ドル(約8000円)の値上げで決着している。 原料炭や鉄鉱石の値上げにより、鉄鋼メーカーは前年度より3兆円もの負担増は避けられなくなっている。ここ数年は価格転嫁も十分にできているとは言えず、鉄鋼各社は「取引先の自動車メーカーなどには鋼材価格の値上げを求めざるを得ない」と主張。既に自動車や家電メーカーとの価格引き上げ交渉に入っている。

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