その年に流行した言葉を表彰する「2018 ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート語30語が、2018年11月7日に発表された。
第35回となる今年も、例年通り世相を表すものばかり。スポーツ界からはサッカーW杯から飛び出した「(大迫)半端ないって」や、平昌オリンピック・カーリング女子の「そだねー」「もぐもぐタイム」。ネットの世界からは「TikTok」や「#MeToo」など、注目を浴びた言葉がそれぞれ選出された。
やくみつる氏「『億り人はいけ好かない』」
ノミネート語の発表を受け、J-CASTニュース編集部は7日、選考委員2名に取材を実施。今年のノミネート語選考についてのコメントを得た。
漫画家のやくみつる氏は取材に対し、
「個人的には仮想通貨に関連して『億り人』を強く推していたが、今年はほかの言葉も強く、漏れてしまった。一方、ノミネート語に入っているものの中では『eスポーツ』を強く推していました」
と回答。理由についてはそれぞれ、
「『億り人』を選んだのは、今年の4月か5月に、『億り人』たちが集うパーティーに参加したから。パーティーの感想は『自分のライフスタイルと真逆の人たちであり、いけ好かない連中だな』というものでした。『eスポーツ』については、決してこれを肯定しているわけではないが、2018年を後世の人たちが振り返った際に、eスポーツ元年とも言える年だったことを認識できるように、『言葉のレガシー』として選びました」
とのことだった。
清水均選考委員「豊作とは言えないが...」
「現代用語の基礎知識」(自由国民社)元編集長の清水均氏は取材に対し、「今年は豊作とは言えないが、この20年では不作というほど悪くはなかったです」と回答。また、2015年には「アベ政治を許さない」がトップテン入りした一方、今年は「首相案件」という、やはり、安倍晋三首相を連想させる強力な言葉が入っていることについては、
「2015年は『アベ政治を許さない』だけでなく政権に対する言葉が多かったです。一方の今年は『首相案件』はありましたが、やはり、政治部門が少なかった。メディア、国民ともに、モリカケ問題への追及姿勢が弱かったことを反映しているのではないでしょうか。また、レベルが低い政治家の失言や放言も続いてますが、相手にするのがバカバカしくなってきました。いちいちノミネートするに及ばず、という気持ちです」
と、この1年を振り返った。ノミネートされた言葉は以下の通り。
あおり運転/悪質タックル/eスポーツ/(大迫)半端ないって/おっさんずラブ/GAFA(ガーファ)/仮想通貨/ダークウェブ/金足農旋風/カメ止め/君たちはどう生きるか/筋肉は裏切らない/グレイヘア/計画運休/高プロ(高度プロフェッショナル制度)/ご飯論法/災害級の暑さ/時短ハラスメント(ジタハラ)/首相案件/翔タイム/スーパーボランティア/そだねー/ダサかっこいい/U.S.A/Tik Tok/なおみ節/奈良判定/ひょっこりはん/ブラックアウト/ボーっと生きてんじゃねーよ!/#MeToo/もぐもぐタイム
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)