最近、この7月(2023年)に公開されたスタジオジブリのアニメ映画「君たちはどう生きるか」を見ました。原作・脚本・監督は宮﨑駿で、プロデューサーは鈴木敏夫です。
「君たちはどう生きるか」は吉野源三郎の小説からタイトルを取っていますが、小説は原作となっていないものの、主人公にとって大きな意味を持っているという形で関わっています。
ファンタジーの世界で眞人が受け取ったものは?
第二次世界大戦が始まり、主人公の少年、眞人(まひと)は実母を火事で失いました。軍需工場の経営者である父親は、妻の妹と再婚し、眞人は母方の実家へ工場と共に疎開します。
疎開先の屋敷は洋館で、覗き屋のアオサギが住む塔がありました。その塔は大叔父様によって建てられ、その後、大叔父様が塔の中で忽然と姿を消したことを義母から聞いた眞人は、アオサギの案内でファンタジーの世界へ迷い込みます。
そこで眞人が亡き実母に会うことをモチーフにした人間と動物(仮想上の物も含む)の壮大なロマンの中に巻き込まれていきます。眞人とアオサギは、実母と大叔父様に出会います。最終的には、実母に別れの言葉を聞き、眞人に後を託して、いなくなった大叔父様と別れ、現実の世界に戻ります。
終戦後、眞人は父と義母、生まれたばかりの弟と一緒に疎開先から東京へ帰り、4人家族で再出発をします。壮大なロマンの中に託された、人間の愛情の深さに感動しました。スタジオジブリ作品は、制作費をかけることができ、世界に通用するコンセプトと技術を持っていると、改めて思います。
今日で3年7か月続いた本コラムも最終回です。今まで、ご覧いただいてありがとうございました。