長女・園子(斎藤羽結)を亡くした悲しみから立ち直れないでいる万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)。園子が危ないと聞いて駆け付けてきた寿恵子の母・まつ(牧瀬里穂)はそのまま残り、寿恵子を慰める。
寿恵子は早産だったせいで園子は体が弱くなったのだと自分を責め、万太郎もまた、植物研究に没頭していた自分を責めていた。2人はいつか自分たちが園子のもとへ行く時は、図鑑を持っていこうと約束する。その後、少しずつ元気を取り戻した寿恵子は、6月に女の子を出産。万太郎は子どもが長生きするようにと願いを込め、「千歳」と名付ける。それから1月後、まつは帰っていった。
そんなとき、ロシアから封書が届く。マキシモヴィッチ博士が肺炎で亡くなったという夫人からの手紙だった。万太郎はロシアに渡ることを断念。自分がやるべきことを続けていこうと決意する。さっそく、手紙に同封されていた博士の標本ラベルを参考に、個人名の収蔵名札を石板印刷で作ることにした。大学に寄贈する500点の標本にその名札を付け、「MAKINO collection」として恥ずかしくないものにすると寿恵子に宣言した。
竹雄と綾は新酒つくりに失敗して「峰屋」売却
高知から竹雄(志尊淳)と綾(佐久間由衣)がやってきた。酒作りで雑菌が繁殖する腐造を出してしまい、峰屋の土地と屋敷を売ることになったと報告するためだ。万太郎は自分の力不足を責めたが、最終的に2人に任せることにし、竹雄と綾は万太郎と寿恵子が夢を持ち続けていることに安心して帰っていった。
その1か月後のこと。寿恵子は新聞に掲載されている小説の話を耳にする。大学教授で女学校の校長もやっている男が、女子生徒に手を出すという物語で、明らかに田邊(要潤)と聡子(中田青渚)を題材にした小説だった。聡子を心配した寿恵子は、田邊の家を訪れる。寿恵子が聡子を励ましていると、田邊が帰宅した。「万太郎のために聡子に取り入ろうとしたのだろう」となじる田邊に、寿恵子はきぜんと立ち向かう。
高知の山奥で植物採集をしていた万太郎は、山元虎鉄(寺田心)という少年に出会った。その虎鉄は実に多くの珍しい植物を知っていた。これらの植物を持って東京に戻った万太郎は、帝国大植物学教室の波多野(前原滉)と藤丸(前原瑞樹)とともに調査を開始。新種であることを認定すると「ヤッコソウ」と名付けた。