最近、FOXで2000年のアメリカ映画「小説家を見つけたら」を見ました。ニューヨークのブロンクスを舞台に、伝説的な天才作家フォレスター(ショーン・コネリー)と、プロバスケットボール選手をめざす黒人の少年ジャマール(ロブ・ブラウン)との交流を描いた物語です。
処女作がピューリッツアー賞を受賞したフォレスターは、文壇からは姿を消していました。ひょんなことからフォレスターが住む部屋に忍び込むことになったジャマールは、部屋にリュックを忘れてしまいます。その中にはジャマールの書いた作文があり、それをフォレスターが添削したのです。
実は、ジャマールには文才がありました。ジャマールは、フォレスターに興味を持ち、作文を持っていき強引に添削を頼み込みます。ぶっきらぼうなフォレスターは、それに応じました。
姿を消した天才作家が作文コンテストに現れた!
ジャマールが通う高校の教師は、ジャマールの文章力が急速に上達していくのを疑っていました。ジャマールは高校の作文コンテスト用に、フォレスターの部屋で書いた文章を提出しますが、高校の教師はジャマールの作文は盗作だと決めつけ、退学の危機に追い込まれます。
作文コンテストの当日、高校に現れたフォレスターはジャマールを「友」と呼び、その危機から彼を救いました。ジャマールとの交流で自分を見つめ直したフォレスターは、故郷のスコットランドに旅立つと宣言し、友に別れを告げます。
やがて、ジャマールの卒業が近づいたある日、フォレスターの弁護士がフォレスターの訃報と遺品を持って、ジャマールのもとを訪れました。フォレスターは、彼にとっては2作目になる新たな小説を、ジャマールのために書き残していたのです。
偏屈な作家役のショーン・コネリーと、少年役のロブ・ブラウンの存在が際立っています。ショーン・コネリーがロブ・ブラウンに注いだ大きな愛情に、ロブ・ブラウンも応えています。映画の持つ奥行きの深さに、改めて感動しました。