2日(2023年8月)の『あさイチ』は、「化学物質過敏症」を特集した。ゲストはタレントのLiLiCoとお笑い芸人のこがけん。化学物質過敏症とは、柔軟剤や消毒液、シャンプー、建築塗料など、日常にあるさまざまな化学物質に反応して起こる症状だ。頭痛や吐き気、めまいのほか、皮膚のただれ、鼻血など人によって症状が異なるという。
40代の奈緒さん(仮名)が化学物質過敏症を発症したのは5年前。職場の同僚のタバコのにおいがきっかけだった。次第に書類のインクやアルコール消毒液、同僚の柔軟剤にも反応するようになったという。限界を迎え、退職。その後は、フローリングや壁、天井を封止材で覆った自分の部屋にこもる日々が半年続いた。夫が会社から持ち帰る微量の香りにも反応してしまうため、同じ家にいながら、夫ともほとんど対面できず、会話はLINEを通してだという。
奈緒さんは「乗り物にも乗れないので、働くことも、どこかに遊びに行くことも、人に会いに行くことももちろんできない。社会的に詰んだなと感じます」と話す。
治療には3つの柱
化学物質過敏症に詳しい坂部貢医師は、「今の(奈緒さんの)例は、日常生活が制限されるような、比較的重症な事例だと思いますが、軽いものまで含めると、誰しもなる可能性があると理解した方がいい」と話す。治療法には、「原因物質からの隔離」「代謝・解毒を促す」「運動して汗をかく」の3つの柱があるそうだ。
坂部医師は「まずは原因物質から離れる。周りの配慮がないと難しいので、現実的にはそれが1番難しいのです。もう1つは新陳代謝を活発にするということ。それから、(患者には)自律神経の調節が比較的悪い方が多いので、運動して汗をかいて、自律神経の働きを引き出してあげる。あとは個別で環境的対応、栄養的補充などを考えます」
博多華丸キャスター「治るんですか」
坂部医師「適切な対応をすれば必ず良くなります」
LiLiCo「自分の生活環境をちゃんと把握しないといけないですね。何かの時に必ず具合悪くなるけど、(原因は)何だろうって」
Tシャツに使われていた塗料のにおいで具合が悪くなってしまった経験があるこがけんは、「自分の症状が化学物質過敏症の軽度の症状だってことを知り、衝撃を受けました。気を付けなきゃ」と話した。
「あさイチ」は支援窓口も紹介。NPO化学物質過敏症支援センター(でんわ045-663-8545 水・金のみ。http://cssc4188cs.org)で、医療機関を紹介してくれたり、日常生活の相談に乗ったりしてくれるそうだ。
(ピノコ)