森七菜と間宮祥太朗W主演の「真夏のシンデレラ」(フジテレビ・月曜21時)。湘南を舞台に男女8人が織りなす恋愛模様を描いた群像劇ということで、月9の王道のラブストーリーが見られると思ったら......。いろいろツッコミどころがあり過ぎてドラマに集中できない。
湘南は通勤圏なのに距離感が...
まずは、森七菜演じるヒロインの蒼井夏海。サップのインストラクター兼実家の食堂を手伝い、家事全般をこなすヒロイン蒼井夏海(森七菜)はいまどき貴重な働き者。母はすでに亡くなっていて、家族は父(山口智充)と弟の海斗(大西利空)のふたり。
地元の友人には、美容師アシスタントの愛梨(吉川愛)、シングルマザーの理沙(仁村紗和)。幼なじみで夏海が10年片思い中の大工、匠(神尾楓珠)がいる。
一方、東京から海辺の別荘に遊びに来ているのが、間宮祥太朗演じる水島健人。父(小市慢太郎)の経営する大手建築会社に勤務。ほかに高校からの友人の臨床研修医・修(萩原利久)、司法浪人生・守(白濱亜嵐)がいる。ちなみに3人とも東大卒。ほかに、酔って海に落ちた理沙を助けたライフセーバーの早川(水上恒司)もいる。
そんな登場人物たちによるラブストーリーだが、ヒロインの森七菜が幼く見えるため、とてもおとなの視聴に耐えうるラブストーリーという感じではない。しかも、海辺なのに誰ひとり真っ黒に日焼けしている者はおらず、とくに匠は海辺の大工設定なのに肌が真っ白くて弱々しく、ちゃんと仕事しているのかと心配になる。
そのうえ、高校時代のわけあり教師・佳奈(桜井ユキ)にストーカーのようにつきまとい、かと思えば、自分のことを好きな夏海をふりまわし、気まぐれでキスをするなど神尾本人にまで悪いイメージがつきかねない役柄で気の毒過ぎる。
ほかにも夏海の父がポンコツ過ぎるのも気になるが、なによりも、湘南と東京の距離感がヘン。3話では東京に遊びに行った愛梨が、ホテルが取れなくて守のマンションに泊まるという流れ。
東京~湘南は通勤圏ですから。どれだけ田舎だと思っているのか。かと思ったら、台風で夏海のオンボロ食堂が気になり、大事なプレゼンをすっぽかして、夏海のところへ駆けつけた健人。こちらは「どこでもドア」でもあるのかというくらい早かった。
8人の恋愛模様はちっとも気にならないが、ツッコミドラマとして最後まで見届けるつもり。
(大熊猫)