「大阪府の吉村知事がネット上での誹謗中傷の対策を条例化すると発表しました。これが今、SNSで議論となっています」と、18日(2023年7月)の「めざまし8」で司会の谷原章介が伝えた。
鈴木円香「私も傷ついた。規制する方が言論の自由は守られる」
吉村知事は13日、公式ツイッターに「ネット上の差別には大阪府が発信者に直接注意指導を、誹謗中傷には幅広い相談体制の充実を、その他対策を条例化する」と投稿。
これについてネット上では「匿名の誹謗中傷は安易に人を傷つける。言葉の暴力も力の暴力と同じ」「被害に遭ったときに相談しづらい。こういう条例の存在は助かる」などの賛成の声が上がる一方、「批判を差別や誹謗中傷と捉えるのはその人次第」「意見が全部誹謗中傷扱いになる。NGワードなど線引きが必要」「政治家の不正を国民が追及したら誹謗中傷としてつぶされるかも」など反対の声も上がっている。
インターネットの誹謗中傷を研究している国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授は条例化の動きについてこう解説した。
「実は自治体がこういった条例を導入する動きは広がっている。例えば、東京の江戸川区でも似たようなものが施行されているが、その条例は『表現の自由を侵害してはいけない』と明記した上で、啓発・教育・相談を実施していくと述べている。誹謗中傷は非常に線引きが難しく、政治家への公正な批判が規制される可能性もある。こういったことを十分考えた受けで、メリットとデメリットを比較しながら慎重に検討するのが大事だ」
線引きはどこなのか。山口准教授は2つの例を挙げた。「Aさんの〇〇という考えは間違っていると思う」という場合は、見解・考えに対しての反対意見なので「批判」。「Aさんは何も分かっていない。ただのばか」という場合は、人物に対しての攻撃で「誹謗中傷」になる。
谷原「批判といっても言い方とか言葉選びもありますよね」
鈴木円香(起業家)「そうなんですよね。私自身もネットですごく叩かれたことがあって、やっぱりものすごく傷ついた。こういう議論が出てくると必ず『言論の自由と衝突する』と言う声が上がるが、そんなことはない。こういう規制をきっちりする方が言論の自由はむしろ守られると思う」
(ピノコ)