再燃する食糧危機への不安 ウクライナ産穀物輸出、黒海経由をロシアが停止(ZIP!)

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   ロシア政府は、黒海から穀物輸出の合意を停止すると発表した。世界的な食糧危機への影響が懸念される。きょう18日(2023年7月)の「ZIP!」が伝えた。

   ウクライナ産の穀物を、黒海を通じて輸出する合意は、今月17日が期限で、延長するための協議が続けられてきた。ロシアのペスコフ大統領報道官は17日、「合意は効力を停止した」として、延長を認めないと発表した。

  • 食糧危機の懸念が…
    食糧危機の懸念が…
  • 食糧危機の懸念が…

国連事務局長「提案が無視され、深く失望」

   ロシアは「ロシア産の食物や肥料への制裁緩和が実現していない」としており、プーチン大統領も、「ロシアの国益に関係する項目が実行されていない」と話していた。ペスコフ報道官は、「ロシアの要求が実現すれば、合意に復帰する」とも言っている。

   合意停止で、ウクライナ産の穀物輸出が滞れば、世界的な食糧危機が再燃する恐れがある。

   合意停止を受け、国連のグテーレス事務局長は17日、ニューヨークで、「私の提案が無視されたことに深く失望している。ロシアによる決定は、困窮している人々に打撃を与えるだろう」と、強い危機感を示した。同事務局長は先週、プーチン大統領に書簡を送るなど、合意延長に向けた提案を伝えてきたが、受け入れられなかった。

   同事務局長は、世界の食糧安全保障と食糧価格の安定を推進するために「解決への道筋を見出すことに専念する」。

   米国のブリンケン国務長官は17日、合意停止について「非良心的だ」と非難したうえで、一刻も早く合意を復活させるよう求めた。

   ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は、ロシア政府に決定を覆すよう要請。穀物供給のために他国と協力を続ける考えを示した。

   一方で、ウクライナ南部のクリミア半島とロシアを結ぶ橋で17日爆発があり、2人が死亡、子ども1人がけがをした。ロシアは、「ウクライナによるテロだ」と非難している。

   現地からの映像では、橋の一部が損傷、路面が傾いている様子が分かる。

   ロシア側は、攻撃には二隻の水上ドローンが使用されたとしている。

   他方で、ウクライナ軍の報道官は、「ロシア側の挑発行為の可能性がある」と主張。複数のウクライナ・メディアは、「ウクライナ軍が関与した情報がある」。

   クリミア橋では、去年10月にも、橋が一部崩壊する爆発があり、ウクライナ側は今月、事件への関与を認めている。

(栄)

姉妹サイト