教授の田邊(要潤)が発表の準備を進めていたトガクシソウを、シーボルトの助手の孫・伊藤孝光(落合モトキ)が留学先のイギリスで植物学雑誌に発表した。田邊の名前を付けた学名は幻となった。
助教授の徳永(田中哲司)は「新種の発表は早い者勝ち。それが学者の世界」と言う。それを聞いた学生の藤丸(前原瑞樹)は「相手を蹴落としてまで競うことに耐えられない」と言い残し、教室を飛び出していってしまう。
その頃、寿恵子(浜辺美波)はつわりで食欲を失っていた。「寿恵子が食べられるものはないか」と万太郎(神木隆之介)が困っていると、十徳長屋に東京大研究室の藤丸がやってきて、「揚げ芋ならどうか」と提案する。万太郎が準備して差し出すと、寿恵子は美味しそうに食べた。
安心した万太郎は揚げ芋を長屋の住民に振る舞い、みんなでおしゃべりをしていると、藤丸が「大学を辞めたい」と言い出した。厳しい競争の中で心を病んでしまった藤丸に、万太郎は「辞めるのではなく、休学し、自分に合ったやり方を探したらどうか」と助言する。
「日本植物志図譜」第二集が完成!素晴らしい出来に嫉妬する田邊教授
藤丸は田邊に休学を申し出ると、万太郎の植物採集や図譜の手伝いをするようになった。そして、「日本植物志図譜第二集」が完成。そこには、万太郎の祖母・タキ(松坂慶子)が愛したヤマザクラの図が掲載されていた。
万太郎と藤丸が植物採集の旅に出たころ、植物学者の野田(田辺誠一)や里中(いとうせいこう)、そして田邊教授の元に「日本植物志図譜 第二集」が送り届けられる。田邊は、図工の野宮(亀田佳明)に万太郎のような植物画を描けと命じる。
寿恵子が産気づいた。長屋の差配人・りん(安藤玉恵)や住民のえい(成海璃子)の協力があり、寿恵子は無事にかわいらしい女の子を出産する。そんなとき、万太郎も採集旅行を終えて帰宅。生まれてきた子がこれから歩む人生の中であらゆる花を咲かせますように――。そんな願いを込め、万太郎と寿恵子は我が子の名前を決める。