ロシアのプーチン大統領と民間軍事会社ワグネル創設者のブリゴジン氏が先月29日に「3時間」面会していたことを、ロシア大統領府の報道官は10日(2023年7月)明らかにした。ブリゴジン氏のその後の動きなど、なぞが少なくない。11日の「ZIP!」が伝えた。
ワグネル側「祖国のために戦い続ける用意がある」
ペスコフ報道官は、モスクワのクレムリンで面会した、と明らかにした。
プリゴジン氏は6月23日に反乱を宣言したが、同24日にモスクワへの進軍を中止して撤収した。面会には、プリゴジン氏のほか、ワグネル指揮官ら35人が出席。プーチン大統領は、「ワグネルの前線での働きや反乱についての見解を伝えた」。
ワグネル側の出席者は、「(我々は)国家首脳や最高司令官(=プーチン大統領)の熱烈な支持者・兵士であり、祖国のために戦い続ける用意がある」と表明したという。
プリゴジン氏の動向については、先月27日にベラルーシに到着したことが公式に確認されて以降、はっきりした動向は明らかになっていない。
「ZIP!」の報道は、ここまでだが、朝日新聞によると、ベラルーシのルカシェンコ大統領は今月6日、プリゴジン氏はベラルーシ領内にはおらず、ロシアにいると発言。ワグネルのベラルーシへの移転問題も「決着していない」と述べていた。朝日新聞は、プーチン大統領とプリゴジン氏の間で、妥協案が協議されている可能性がある、と見ている。
一方で、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議はきょう開幕、ウクライナへの長期的支援に向けた結束を確認し、NATO加盟についてどこまで具体的な道筋を示せるかが焦点になる。リトアニアの首都ビリニュスには、通りにウクライナの国旗が掲げられ、連帯の意思が示されている。2日間開かれ、ウクライナ軍との兵器の相互運用性向上など、長期的な支援強化策が協議される見通しだ。
また、加盟国とウクライナが対等な立場で協議する「NATOウクライナ理事会」を新設し、ゼレンスキー大統領を迎えて初会合する方針だ。ウクライナがNATOに加盟するまでの間、その安全をどう保障するかも協議すると見られる。
(栄)