【どうする家康】哀しく切なく怖かった家康の舞「えびすくい」、虚ろな目に潜んでいた不気味さ

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   NHK大河ドラマ「どうする家康」7月9日(2023年)放送回。瀬名と信康の死から数年、織田・徳川両軍は甲斐へ攻め上り、ついに武田を滅ぼす。家康(松本潤)は信長(岡田准一)を恨む様子もなく従順すぎる態度。本田平八郎忠勝(山田裕貴)ら家臣は、不思議に思う反面不満が持っていた。(ネタバレあり)

  • NHK「どうする家康」公式サイトより
    NHK「どうする家康」公式サイトより
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後押ししたのは瀬名の天下泰平の夢か

   そんななか、家康は何を思ったか、安土へ戻る道中、信長を富士遊覧で接待したいと言い出した。家臣団に於愛(広瀬アリス)や茶屋四郎次郎(中村勘九郎)も加わり、家康一家を挙げて盛大に行われようとしていた。

   本栖湖からの富士山を愛でる場面。絶景を望む最高の場所である。しかし信長は「おお」と一瞬声をあげて感動した直後、振り返ってあっさりと帰ろうという。鳴かぬホトトギスを殺してしまうような人は、景勝地に心奪われることなどないか。

   しかし家康は家臣たち、家族、皆をだまして心のうちを明かさない。家康の舞、えびすくいがあれほどまでに悲しい踊りに見えるとは。虚ろな目で踊る松潤家康が不気味過ぎて、こりゃもうただ事ではない。それに感づいて平八郎たちも一緒に踊りに参加しはじめた。信長の蔑んだ笑もまた不気味で、両者騙し合いのような雰囲気も。えびすくいの舞の場面は「なんか哀しいし切ないし怖かったな」「えびすくいのキレがよすぎな松潤家康」「今週ほど涙が出てくるえびすくいはなかった」「渾身のパフォーマンス」などSNSで反響があった。

   えびすくいを踊っている時も、信長と笑いながら馬を走らせているときも、お茶を飲んでいるひとときも、家康は富士山に誓って「信長を殺してやる」と呪文を唱えていたわけだ。家康にとって兄貴分だった信長には幼いころからの長年の恩義もあるわけだから、気持ちの整理や覚悟が必要だったのであろう。信長接待はひとつの礼儀だ。

   「天下をとる」と最後に言っていたのは、築山事件が後押ししているといえそう。瀬名の言っていた天下泰平の夢を自分が叶えると決心した?それにしても本能寺の変までカウントダウンがはじまってしまった。アメリカのドラマみたいだが、だんだん面白くなってきた。期待したい。

(Y・U)

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