7日(2023年7月)の「モーニングショー」は、岡山県瀬戸内市で問題になっている「水没ペンション」を取りあげた。一面水につかったエリアにぽつんぽつんと木造の建物が沈んでいる(浮かんでいる?)光景は一見幻想的で、SNSなどでも話題になっているというが、近隣住民の悩みは深刻だ。
司会の羽鳥慎一が「長年、水につかった状態で放置されていて、近隣住民が臭いなどの被害を訴えています。なぜ放置されているのか、施設の所有者に話を聞きました」と伝える。
取材班はそこで虫の大群や半分以上水に浸かった車、ゴルフ練習場のネット、道路標識を確認。ドローンで上空から見てみると、コバルトブルーの瀬戸内海から防波堤で仕切られた一帯が問題エリアなのが分かる。その広さは東京ドーム3.6個分。塩田跡地に開発されたリゾート地の成れの果てだ。
所有者「塩田を観光開発したが廃業」
土地の所有者は取材に対し、「製塩業をやめて観光地にしたのは私の父の発想で、当時は斬新な仕事でした。その後、客足が減って廃業しました」と答えた。水を抜くことを考えたものの、近くに生息する野犬の巣になることや、立ち入った人がけがをすることなどを考え、現在の状態を維持しているという。
今後の土地の使い道については、「本当は将来性のあること、たとえば水素ステーションなどに使ってほしい」と、企業などに活用してもらうことを望んでいるが、解決手段は見つからないままだという。
瀬戸内市の武久顕也市長は「今の状況だと権限を行使して(建物や水など)撤去することは難しい」と話している。撤去できない理由について、伊藤康典弁護士は「空家対策特別措置法では、空き家は撤去できるが、水に浸かった施設全体は空き地の割合が大きいため、対象外の可能性が高い」と説明した。
羽鳥「所有者もなんとかしたいんでしょうけれど、東京ドーム3.6個分って...。なんとかするにもコストが相当かかります」
廣津留すみれ(バイオリニスト)「水を抜いてしまって、野犬の巣になる恐れがあるというなら、そこで空き家の撤去に入る。コストの問題だとは思いますが、1回思い切らないとずっとこのままですよね」
玉川徹(テレビ朝日報道局員)は、「メガソーラーにするのも1つの手ではないですか」と提案。しかし、ここでもコストの問題が立ちはだかった。
(ピノコ)