5日(2023年7月)の「モーニングショー」で、司会の羽鳥慎一が「こちらをご覧ください」と示した写真には、複数の高級ブランドのバッグにカビだらけになっていた。羽鳥は「バッグの持主は、引越ししたマンションの湿気の多さが原因だと訴えています。専門家が部屋の水分量を測定したところ、カビが発生する基準の3倍の数値が検出されたということです」と伝えた。
被害を訴えているのは、今年4月に東京・品川区のマンションに引っ越してきた50代の女性だ。集めていたブランドバッグを箱に入れてクローゼットに保管していたら、ほとんどがカビだらけになってしまったと、山積みされた高級ブランドバッグを前に涙で訴えた。
さらに、「部屋でもマスクをしていなきゃならないのは不自由ですし、主人には咳の症状も出て、体調を崩して通院している」と訴えている。「内見の時に除湿器が備え付けであると喜んでいたのですが、入居したら備え付けの除湿器が2台増えていて、嫌な予感がした」と女性は悔やむ。
専門弁護士は「賠償賠償の対象」
住居のカビに詳しい「カビバスター」の世良秀雄さんが、この部屋の水分量を測定すると、クローゼット内は7%で、カビが発生する基準量の2%の3倍以上の数値。フローリングは32%(同基準値18%)で「これなら100%カビが発生します」と世良さんは指摘した。
女性は、管理会社に対しカビの被害を訴え、引っ越し費用、カビが生えたバッグの賠償などを求めているが、管理会社側は「補償には応じられない」としている。管理会社の言い分は「特約事項に除湿器を設置すると書いてあり、部屋の特性を理解したうえで契約してもらっている」というもの。
羽鳥は「ひどい状況だと思います」とあきれる。賃貸トラブルに詳しい森田雅也弁護士は「物件の特性があまりにも特殊で、想像を超えるものであれば、特約事項の一文だけではなく、より詳しく説明する義務が生じます。損害賠償請求で一部補償が認められる可能性はあります」と解説する。
(バルバス)