水分と塩分、キウイフルーツも効果的
熱中症予防の基本は「水分」と「塩分」。
まず朝起きたら、水をコップ一杯飲むことが必要だ。
イシハラクリニックの石原新菜・副院長は、「寝ている間に汗をかく。起きた時は脱水状態になっていることが多い」。夏は、寝ている間に、コップ1~2杯の汗をかくそうだ。
石原医師によると、1日に必要な水の量は「2.5リットル」。その半分は、食事からとったり体内で作られるため、「1.2リットル」は1日にこまめに摂取したい。
熱中症予防に効果的なフルーツは何か?
街では「水分をとるためにスイカ」「バナナやイチゴがあれば」との声も聞くが、「キウイフルーツ」が効果的だ。管理栄養士の渥美まゆ美さんは、「汗で失われがちな鉄やカルシウム、カリウムが圧倒的に多く含まれるのがキウイです」。さらに朝食には、「具だくさんスープ」があるといい。トマト2個、オクラ4本、卵3個、コンソメキューブ2個、水600ml。ミネラルを手軽に摂取できるそうだ。
運動をした後などに、体温を下げるには、身体のどこを冷やせばいいのか?
「大きな血管がある手首を冷やせば気持ちいい」との意見もあるが。石原医師は「手のひらです」。静脈と動脈をつなぐバイパスのようなAVA血管や毛細血管が、手のひらには走っている。今では、多くのアスリートも、手のひらを冷やす保冷剤をつけている。
熱中症の症状は、頭痛から出てくることが多い。めまいやだるさ、吐き気なども。「気づかない人もいます」と石原医師。「経口補水液」で体調の異変を見極めることができる。塩分濃度がほかのスポーツドリンクに比べて高めだ。「ふだんはしょっぱいが、熱中症の時は塩分が足りないので、おいしいとか甘いとかの感覚になるときがあるんです」(石原医師)。甘いと感じたら要注意。服を緩めて、身体を冷やして安静に。
夜寝るときに、エアコンはタイマーか?つけっぱなしがいいのか?
「タイマー使用」が4割で「一晩中つけっぱなし」が28.5%。「使用せず」が25.3%だった。
石原医師は「つけっぱなしの方がいいと思います」「切ってしまうと、途中で暑くなってきて、質の良い睡眠が妨げられてしまう」。東京で熱中症の死亡者は夜間が3割だ。高めの温度設定で朝までつけっぱなしが、いいそうだ。
(栄)