万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)の新婚生活が「十徳長屋」でスタートした。万太郎は高知で採取した植物標本を抱え、新学期を迎えた東京大学に足を運ぶ。標本を助教授の徳永(田中哲司)らに見せようとしているところに、教授の田邊(要潤)があらわれ、今後は採取した植物は真っ先に自分に見せるようにと万太郎に命じたのだった。
「結婚祝いをしたい」という田邊の招待で、万太郎と寿恵子は田邊家に出かけた。食事を終えると、田邊は「大事な話がある」と、妻の聡子(中田青渚)と寿恵子に席を外させる。
大事な話とは、万太郎に「専属プラントハンターにならないか」ということだった。それは田邊のために植物を探す仕事で、もし新種が発見されても、発表は田邊が行うという。万太郎が断ると、田邊は万太郎ひとりでは新種の植物に名前を付けて発表することはできないと告げる。
現実を突きつけられた万太郎はひどく落ち込むが、寿恵子に励まされ、「十徳長屋」に戻ると、さっそく新種発見のための研究に取り掛かった。
貧乏暮らし支えるために寿恵子は内職探し
そんなとき、高知の名教館時代の学友・佑一郎(中村蒼)が万太郎を訪ねてきた。佑一郎はアメリカ合衆国ミシシッピ州の治水工事に、技師として携わるために渡米することが決まっていた。万太郎は、恩師・池田蘭光(寺脇康文)に連れられ、佑一郎とふるさと土佐の大淀川の川辺で過ごした小旅行を思い出す。 寿恵子は同じ長屋の住人・えい(成海璃子)に、「内職の仕事はないか」と相談していた。生活費、そして万太郎の研究のための資金作りだった。
植物学者・里中(いとうせいこう)を訪ねて久々に博物館に足を運んだ万太郎は、そこで伊藤孝光(落合モトキ)という青年と出会った。シーボルトの助手を務めた植物学者・伊藤圭介の孫だという。田邊教授が研究している「トガクシソウ」のことをたまたま口にすると、孝光はいきなり怒り出し、部屋から出て行ってしまった。呆然とする万太郎。いったい何が......。