今日29日（2023年6月）の『モーニングショー』で、司会の羽鳥慎一が「こちらの音声をお聞きください」と切り出し、音声が紹介された。電話の音声ガイダンスで「NTTファイナンスより重要なお知らせです。オペレーターにおつなぎする場合は１を押してください」と流れる。羽鳥が続けて「こちらは最近急増しています新たな架空請求で使われている自動音声です。今こうした音声ガイダンスを悪用した巧妙な手口の詐欺被害が多発しています。相談件数は去年の10月に比べておよそ35倍に増えているということです」と伝えた。
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「電話料金未納」との音声ガイダンス電話に要注意
「未納料金が発生。法的措置に移行」とアナウンスが
去年の11月宮崎県の60代男性にもこの音声ガイダンスの電話が掛かってきた。電話に出るといきなり音声ガイダンスが流れ、「現在ご利用中の電話回線で未納料金が発生しているため法的処置に移行いたします」とアナウンスがあり、いわれるままに「1」を押すとオペレーターが出て、男性の質問をさえぎるように「お名前と生年月日をお願いします」。男性は名前と生年月日を伝えてしまった。オペレーターは「有料サイトの料金が1年未納」だと伝え、男性が身に覚えがないと訴えても、「電子記録で確認されています」と有料サイト料950円に違約金等が付け加えられ、総額29万9600円が未納だと一方的に言われた。男性は引き下がらず、契約書にサインしたというならその書類を郵送してくれと伝えると、電話は終了した。男性は被害にあわずに済んだという。
熊本県に住む60代男性は同様の手口で、「電話をいったん切ると、つながりにくい状態なのでこのまま電話を切らずにコンビニ行き、電子マネーカードを買ってくれ」と言われるままにコンビニでカードを買い、番号を伝えてしまった。直後にネット検索して、同様の詐欺があることを知り、慌てて電子マネー会社に連絡してカードを止めて、被害を食い止めた。
やはり自動音声電話を取った40代男性はオペレーターに「詐欺なんじゃないの？」と聞いたら、オペレーターに「バレちまったか」と言われたという。さらに「警察に届ける」と言うと「バレないから大丈夫」と言われたうえで「家族がどうなるかわかりませんよ」と脅されたという。
今月には山口県の60代女性が30万円をだまし取られている。山口県警生活安全課によると「音声ガイダンスは非常に巧妙に作られており本物と思ってしまう」と話している。また、NTTファイナンスでもHPで注意喚起を行っている。同様の手口で、自動音声ではなくSMSを使った手口に騙された埼玉県の40代男性は、騙されて35万円振り込んでしまったという。
相談件数、今年5月に1000件超え
こうしたNTTファイナンスを語った詐欺の相談件数は、去年の11月以降一気に増えており、5月には1000件を超えた。
ジャーナリストの多田文明氏は「詐欺グループは音声ガイダンスに引っ掛かった人と会話するわけで、効率がいい。かかってきた電話が音声ガイダンスだったら、詐欺電話を疑うべき」と注意を促す。
社会起業家の石山アンジュは「映像を見て思うのは手口が巧妙だということ。私は知らない番号からかかってきた電話には出ません」とコメント。
玉川徹（テレビ朝日報道局員）は「相手をパニックにさせるというのが詐欺の共通点。法的措置と言われると焦ってしまうが、たとえ未納が本当でも、裁判で和解して払えばいいだけのこと。パニックを起こさず対応してほしい」とコメント。
伝えた野崎慎平アナは「音声ガイダンスを一度切って、自分からNTTファイナンスに電話してほしい」と話した。
（バルバス）