NHK大河朝ドラ「らんまん」(2023年)放送回。綾(佐久間由衣)と竹雄(志尊淳)は酒屋の組合を作ろうと奔走するも、誰からも相手にされない。この時代は男尊女卑の真っ只中で女性の蔵元はそもそも論外であろうし、峰屋が殿様に献上する酒を造っていたと誇り高く言っていても、タキ婆ちゃんの業の深さは筋金入りだったはず。周囲のやっかみはあったであろうし、男のやっかみ社会も根が深いというものである。
「呪い」ではなく、「祝の女神、飲んだくれの女神」
組合創設案が総スカンの帰り道に寄り道した神社で、すっかり消沈した綾は大の字になって寝転ぶ。不貞腐れた態度がこれとは逞しいではないか。綾は自分が「呪い」だと弱音を吐きつつも、竹雄の前では、素直で純真である。決して闇酒には手をだせないが峰屋の皆を守らなければいけないと健気な気持ちを露わにする。
そんな綾の前で、竹雄も気負いなく自然な気持ちになれたのか、綾のことを、呪いではなく祝の女神、飲んだくれの女神だと伝えた。
先日、綾が宴会の席で「酒持ってこい!」と叫んでいたが、あれが女神の姿ってことか。
竹雄の告白第2弾、前回のガッチガチの態度とは違って、素直なプロポーズであった。それに洋服姿の竹雄と綺麗な和服姿の綾のコンビが、ハイカラな良き明治時代を彷彿させた。
カメラがぐーっと引いて、ぼかしの入ったキスシーン。控えめな演出だけど、「キャー」という声も聞こえたように思う。SNSでは「すっごくかわいいのに全然媚びた感じがない綾様」「竹綾カップル最高だなー」「ついに竹雄のキスシーンが」「会話が進むにつれて体勢を変えていく綾と竹雄」などで沸いた。
これで竹雄と綾の2人も結ばれためでたしめでたしである。峰屋はこの2人で守っていくことになりそう。東京へ戻る万太郎にもう竹雄がついていかないのは少し寂しい気もするが。
(Y・U)