26日(2023年6月)の「めざまし8」は、ロシアの内乱について伝えた。反乱を起こした民間軍事会社「ワグネル」は首都モスクワまで200キロに迫ったが、一転、衝突は回避された。突然の撤退の背景には何があったのか。
FNNモスクワ支局の関根弘貴支局長が現地からリポート。「ワグネルのトップ、プリゴジン氏が進軍を止めてから一夜明けた25日、ロシア国営テレビに氏の話題はほぼ出てきませんでした。ニュースチャンネルは日曜日らしく、ロシア国内のスポーツイベントを繰り返し放送していて、反乱などなかったかのようでした」
関根支局長によると、プーチン大統領は公の場には姿を見せておらず、24日の緊急演説後に専用機でモスクワを離れたとの情報も出ているという。
来年3月には大統領選挙
スタジオでは、ロシア政治に詳しい筑波大名誉教授の中村逸郎氏が解説した。中村氏は、ワグネルの進軍に対し、ロシア軍がほぼ無抵抗だったことに注目。ワグネルはロストフ州のロシア軍の施設に押し入って武器を調達した後にモスクワを目指して北上したといい、「ロシア軍はかなり弱体化していて、誰もモスクワを守れなかったのです」と指摘する。
また、プリゴジン氏の狙いについてはこう話した。「このタイミングが重要なんです。プリゴジン氏は、ロシアがこれから政治の季節を迎えることを見ています。9月には統一地方選挙があり、26の州知事の交代があって、地方議会選挙もあります。3月には大統領選挙もある。プリゴジン氏は『この戦争に深く関わっても先が見えない』ということで、次のステップアップ、つまり政治活動に移りたいと。ポストプーチンの方に転身しているということです」
VTRでは民衆がワグネルを盛大に歓迎している姿が映されたが、司会の谷原章介は「民衆の『ワグネル!ワグネル!』っていう声をどこまで信じたらよいのでしょうか」
中村氏「いま勢いとしては、プリゴジン氏の支持が上がってきています。国民の中でも『この戦争の真実を知りたい』という気持ちが広がっていて、その中でプリゴジン氏は戦地に行き、SNSでどんどん情報を発信していった。難しい言葉ではなく、普段人々が使っている言葉で発したのが、うまくロシア国民の心に浸透しました」
谷原「民衆の声を自分のものにできたからこそ引いたということでしょうか。ということは、モスクワまでもともと攻め入るつもりはなかった?」
中村氏「なかったと思います。モスクワに入ったところで先が見えませんから。そういう意味でプリゴジン氏のショーだった」。今回の反乱の対応で、プーチン大統領はほぼ蚊帳の外だったという情報もあるという。
(ピノコ)