「どうする家康」マメ知識
秀吉の「真の姿」探る 時代で変わる人物像
<歴史好きYouTuberの視点>

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   NHK大河ドラマ「どうする家康」。次回6月25日(2023年)放送回は「第24回 築山へ集え!」です。登録者数15万人を超える人気歴史解説動画「戦国BANASHI」を運営するミスター武士道が、今週原稿で最も熱く語りたい「マメ知識」は?(ネタバレあり)

  • 歴史解説YouTubeチャンネル「戦国BANASHI」提供
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徳川幕府が絶版命じた作品

   いや〜乱世乱世。どうも歴史好きYouTuberのミスター武士道です。『どうする家康』が何倍も面白くなる歴史知識をご紹介します。今回は、悪人として描かれることが増えてきている豊臣秀吉についてです!

   秀吉といえば庶民のヒーローで、『太閤記』の緒形拳さんや、「心配ご無用!」で有名な竹中直人さんの『秀吉』の印象が強かった人からすると、最近の秀吉は少しサイコパスすぎる気がしますよね。

   そもそも、歴史上の秀吉はどうだったのか? 整理しながら、秀吉像の移り変わりを見ていきましょう!

<江戸時代での秀吉>

   江戸時代は、秀吉が亡くなったすぐ後の世ですね。江戸時代初期に小瀬甫庵が記した『太閤記』で、秀吉は「忠義の人」と書かれています。これは「天道思想」と「儒学」の影響を大いに受けており、信長に忠義を尽くしたからこそ秀吉は上り詰められたのだという考えからきています。

   甫庵は、秀吉の時代にも生きていた人なので、一見すると『太閤記』は一次史料にも用いられそうです。しかし、事実をより面白く盛って書いてしまうことが多く、『三河物語』の作者である大久保彦左衛門もその点を強く批判しています。

   時代を少し下ると、『絵本太閤記』が一大ブームとして普及しました。

   この書物は、甫庵の『太閤記』をベースにしながらも、秀吉の「知略」や「人たらし」な部分にフォーカスしていて、秀吉像としてより庶民に強く広がりました。その影響力は、豊臣政権を倒して作られた徳川幕府が版元に絶版を命令するほど。

   他には、幕府側の学者である新井白石は『読史余論』の中で、「運が良かっただけの人」と書いていたり、幕府の公式資料『徳川実紀』では「物事全て計算で動いていたおべっか使い」と書いて秀吉を批判しています。

   江戸時代は徳川の世ということもあり、体制側は秀吉を褒め称えることはしませんでした。

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